◆3000本の論文が指し示した「真実」…最新科学が証明した長寿のカギを握る「脳の重要ファクター」
「人の名前が出てこない」「今やろうとしたことを忘れた」――そんな日常の些細な物忘れは、もしかすると脳からのSOSかもしれません。『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)は、7000人の脳を診察し、3000本以上の論文を読破した専門医が「一生ボケない脳のつくり方」を徹底解説した1冊。カギとなるのは、脳の免疫細胞「ミクログリア」。生活習慣の乱れによってミクログリアが暴走すると、認知症の引き金になる一方、上手に味方につければ、いつまでも若々しい記憶力を保つことができるのです。難しいトレーニングは必要ありません。【血圧】【食事】【睡眠】【速歩】【呼吸】【お酒】という毎日の生活を見直すだけの6つの習慣術で、100歳まで健やかな脳を育てていきましょう。
※本稿は、『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【脳神経内科医が教える】認知症になりにくい…3000本の論文が導き出した、100歳まで脳を黄金期に保つ“奇跡の習慣”Photo: Adobe Stock

3000本の論文が指し示した「真実」

「沈黙の細胞」が世界の医学界を震撼させている膨大な科学論文との格闘の末に、はっきりと見えてきた1つの「真実」があります。それがミクログリアの重要性なのです。ここ10年ほどで、このミクログリアに関する論文の数は爆発的に増え、世界中の専門家がこぞって研究を進めています。

遠くない将来、この分野からノーベル賞受賞者が出てもおかしくないと私は思っています。

それら最先端の研究の大半を読み解き、一人の脳神経内科医として私が出した結論。それは、「私たちの健康寿命を決めているのは脳であり、そのカギを握っているのはミクログリアである」というものです。

【解説】ミクログリアが「健康寿命」の番人である理由

なぜ、ミクログリアがノーベル賞級の重要ファクターと言えるのでしょうか。それは、この細胞が単なる「脳の免疫担当」に留まらず、私たちの思考や運動の源である「神経細胞」を、文字通り守り、修復し、育てる役割を担っているからです。

ごくわかりやすく言うと、ミクログリアが正常に機能していれば、脳内に発生した「ゴミ(異常タンパク質)」は速やかに処理され、脳はクリアな状態に保たれます。つまり、私たちが「最期まで自分らしく、自立して生き切る」ことができるかどうかは、この小さな細胞がいかに元気に活動してくれるかにかかっているのです。

私たちが今日からできる「お掃除能力」の維持法

3000本の論文を読み解いた結論として、ミクログリアを元気に保つための具体的なアクションを3つの視点でご紹介します。

「質の高い睡眠」による脳内洗浄
ミクログリアが最も活発に「掃除」を行うのは、私たちが深く眠っている間です。睡眠不足は、清掃員を休ませずに働かせるようなもの。7時間程度の睡眠を確保することは、最高の脳メンテナンスになります。
「抗炎症」を意識した食事
ミクログリアは「炎症」に非常に敏感です。糖質の摂りすぎや加工食品の過剰摂取を避け、DHA・EPAを豊富に含む青魚や、抗酸化作用のある野菜を摂ることで、ミクログリアの暴走(慢性炎症)を防ぎ、味方につけることができます。
「好奇心」という最高の刺激
新しい体験や適度な運動は、脳由来神経栄養因子(BDNF)を放出し、ミクログリアの働きをサポートします。

科学的根拠を味方につける「一生モノの安心感」

「年齢を重ねればボケるのは仕方ない」という不安は、もう必要ありません。最新科学が証明した「脳は変えられる」という事実は、私たちの未来を明るくしてくれます。

膨大な論文が指し示した真実は、極めてシンプルです。「脳を大切にする習慣」は、決して特別なことではなく、日々の小さな選択の積み重ねにあります。今日、あなたが選ぶ食事や睡眠が、ミクログリアを元気にし、100歳までクリアな脳を保つための確実な礎となるのです。

※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。