早期退職すると生涯年収は
マイナスになる人が多い!?
早期退職制度では多くの場合、退職金の割り増しや再就職の支援などの優遇措置が設けられています。退職金の上乗せ額は、勤務年数により異なりますが、基本給の数ヵ月から2年程度になります。ただ自己都合で辞めるより、制度に応募して辞めたほうがおトクだと感じるかもしれません。
しかし、一時的にはまとまったお金を手にすることができますが、就職してから定年退職するまでの「一生の間に稼ぐ生涯年収」ではマイナスになる確率が高いことに注意が必要です。
40代後半や50代で大企業を退職した場合、大企業に再就職できる可能性は低く、転職先は中小企業であることが多いからです。実際、大企業と中小企業の賃金の格差は、歴然としてあり、厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」(2024年)の企業規模別賃金を見ると、男性の平均賃金は大企業で約40万円、中企業で約36万円、小企業で約32万円。企業規模間の賃金格差は大企業を100とすると、中企業は88.2、小企業は80.4となっています。
大企業には役職定年があるが、中小企業には役職定年がないため、50代後半になればわからないという声も聞かれますが、中小企業の場合ですと課長や部長の管理職でも年収700万円台という人も珍しくありません。管理職になれば年収1000万円を超える人が多い大企業とは、状況が異なります。
役職定年になり、役職から外れ平社員になった場合でも中小企業の管理職より年収が高い人もいるでしょう。中小企業でも実績を残して役員にでもなれば、状況は変わってきますが、個性が強いオーナー社長が多い中小企業で長く役員を続けるのは、難しいものがあります。
したがって、住宅ローンの残高が多い人や子どもが学生で今後も教育費がかかるような人は、早期退職に応じないほうが賢明です。
反対に、これからの生活で出費が抑えられそうな人で、かつ自身のこれまでの実績やスキル、資格などから転職しても今までと同水準の年収がキープできそうであれば、選択肢として考えられるかもしれません。まずは、退職後の生活にかかる費用や収入を計算してみてください。







