2000年代以降の漁獲量減少は
資源ではなく漁業者側に原因が
日本のこれまでの資源管理に批判的な人の中には、我が国漁獲量の減少だけを見て、「我が国の資源管理が甘いからこんなことになっているのだ」と怒りをあらわにする人もいますが、しかしいま現在、我が国でTAC管理に用いられている許容漁獲量の計算は、漁獲データをもとに一定の方式で行われ、しかもその目標を資源にとって理想とされるMSY(Maximum Sustainable Yield:最大持続生産量)水準に近づけるよう、厳しい方向での計算が行われるとともに、さらにその数字を9割~8割まで下げるために「安全率」という数字を掛け、漁獲を非常に抑制する方向で数値が算出されているにもかかわらず、現在の我が国漁業はこれを“獲り切る”ことができずにいるのです。
『海のさかなの正しいトリセツ』(内海和彦、日本評論社)
さて、こういったデータをみても、我が国の漁獲量が減っているのは「漁業者による獲りすぎ」が原因だ、といえるでしょうか?
むしろ、これらのグラフから見えてくるのは、日本が経験してきた2000年代以降の穏やかな漁獲量の減少は、資源の減少より、魚を獲ってくる人間の側に問題があり、漁業者や漁船がどんどん減ってきていることがその原因だと推測できる、ということです。
この日本の漁業を支える人や船といった生産基盤が弱体化してきている問題については、日頃から漁業に関するデータに触れておられる大学の先生も指摘されているところであり、我が国においては、このことが、資源管理以上に重大な問題になっているのです。







