事前に契約書にサインすることがなく、毎年の評価のやり方やインセンティブの設計を詳細に定めていない場合にもこうした方法が使われます。

 たとえば、これまでは全く何も言われなかったのに、急に営業が新規契約件数で事後的に評価されるケースです。これがおそらく「評価基準がよくわからない」と不満を抱く原因の1つですね。

評価項目は決まっているが
どれが最重要事項かわからない

 2つめは少しイメージしにくいと思います。たとえば、営業職が「売上高」「クレーム件数」「新規顧客の開拓件数」で評価されているケースです。この3つの指標でこの1年間評価されていたとして、どれがどれくらいの割合で評価されるのでしょうか。

 均等に3分の1ずつなのか、傾斜があるのでしょうか。2つめのタイプは、この評価する割合を事後的かつ主観的に決定するパターンです。

 営業職の中にもいろんな個性をもった人がいます。そうすると得意不得意があり、同じ重み付けをして一括で評価することは難しくなりますし、時期や事業の環境に応じて柔軟に対応する必要があったりします。

 そのため、状況に応じて指標間の重み付けを変化させることが有効になるケースもあります。

 3つめは明らかに主観的な評価ですよね。たとえば上司が部下に「よく頑張っている」とだけいっても、全く具体性がありません。それこそ評価される側は「評価基準がよくわからない」となるわけです。

 簡単にいうと、客観的に測定できる指標が業績評価には利用できないので、みる人によって異なる水準となる指標を利用している状態です。このようなタイプの主観的業績評価は、客観的に測定できる指標がない場合によく利用されます。

 加えて、客観的に測定できたとしても感応度が低い指標を、評価に利用することが有効でないケースもあります。そのため、OJT(編集部注/オン・ザ・ジョブ・トレーニング。職場の実務で知識や技術を身につける教育手法)中の新入社員などは定性的で主観的な指標で業績を評価されることもあります。