(2)ストック(知識・経験の活用):次に、集めた情報だけでなく、その情報と関連づけられそうな過去の事例、フレームワーク、自分の経験などの棚卸しをする。ここでも、「今はこれまでに培ったレシピを参照する時間」と考え、他の思考段階へのリソース配分は抑える。

(3)プロセス(情報の加工):ここが考えることの核心部分だ。インプットとストックで集めた素材を使い、それらを分析したり、比較したり、組み合わせたりして、そこから言える仮説を抽出する。ここで認知リソースを最大限投入する。ここでも他の段階への意識は一旦脇に置き「今は料理を作る時間」として集中する。

(4)アウトプット(成果の表現・伝達):最後に、プロセスで練り上げた思考を「相手に伝わる形に整えること」にリソースを注ぐ。資料作成、プレゼンテーション構成、言葉選びなど、プロセス段階で考えた内容をどう「見せるか」「伝えるか」に特化し、「今は盛りつけをして、完成させる時間」と捉える。

図表:思考キャパ
同書より転載 拡大画像表示

 このように、思考の「受け皿」を選択し認知リソースを集中させることで、思考のキャパオーバーを防ぎながら一つひとつのタスクの質を高めることができる。これなら、「もっとちゃんと考えてみて」という漠然とした指示をもらっても、

・「今は材料が不足している。インプットにまずは集中しよう」

・「ひと通り調べたら、改めて過去の知見ストックも参照しよう」

・「調査はやめて、プロセスに全振りしよう」

・「今は資料作成や、伝え方を考えるのは脇に置こう」

 といった形で、自分の思考の状態とリソース配分を客観的に把握し、コントロールができるようになる。