進化して大人になったシール文化

――シール帳というのがあって貼ったり剥がしたりできるそうですね。交換して遊ぶとなると、貨幣みたいになってくるんですかね?

倉掛 レートがあるとしても個人の感覚らしいんですよ。「これは私のお気に入りだから何枚と交換」みたいなね。こだわりが相手のニーズとどうフィットするか。その辺が面白いみたいですね。

――レートが個人にしかないというのはおもしろいですね。シール交換カフェやシールバーもあるとか。

※シール交換カフェ『しぇあぷく』は25年12月に原宿に、2月に大阪と神戸に誕生。大阪にはシール交換バーも。

倉掛 どの年齢層の方が買われているのかはわからない部分もあるんですけど、大半は大人の方ではないかと考えてますね。

画像:株式会社クーリア開発部デザイナーの山崎菜央さん(左)と社長室室長の倉掛誠一さん(右)

――なるほど、ミニ四駆やポケモンカードみたいな、大人がやる遊びとしてのシール文化ができつつあるんですね。

倉掛 そうですね。シールカフェやシールバーでシール帳を持ってきて、お酒飲みながらそういうやりとりを大人の方がされて。もちろんお子さんもされてるし、親子で集められてる方もいらっしゃるのでしょうけど。

――うちの70代の母親がシールを見せてくれました。シール好きは女性が多いんですかね?

倉掛 男性よりも圧倒的に女性の方が多いでしょうね。今後お父さんが参戦してくることもありそうですが。古くはビックリマンシールがあったり、コレクションと考えるとトレカとかもありますしね。

今の子どもたちは感触を求めている?

――紫とか水色、今っぽい色を多く発売してますね。

山崎 発売した24年の初め頃ぐらいに「水色界隈」という言葉が出てきたんです。でも今はまたピンクが復権して上位に来たり。かなり細かく変わっていきますね。

――今の子どもは昔と比べてどうですか?

山崎 色味がおしゃれです。昔自分たちが集めていた頃は原色みたいなはっきりした色味でしたから。平成女児ブームでそういうのが再来してるんですけど。当時は目力が強いというか…全体的に印象が強いですよね。比べたら今のは淡くてきれい。洗練されてますよ。

右側が目に訴えかける力の強い平成的なデザイン。左側のおはじきシールも昔からある商品右側が目に訴えかける力の強い平成的なデザイン。左側のおはじきシールも昔からある商品

――ほんとだ、テーマカラーが真っ黒なシートもありますね!

山崎 プリキュアとかでも黒いテーマカラーの子がいたり、マリクワとかも流行ってきてるんで(※)。そういう白黒のガーリーさがちょっと流行ってきてるんです。

※マリークワント…ファッションブランド、商品にはランドセルなどもある

1500万枚売れた「ボンボンドロップシール」開発者を直撃、ヒットの裏にあった「技術的こだわり」の正体

――今後はどういった方向に進むんでしょうか?

山崎 新しく見えるようにボンボンドロップシールを進化させていきたいのと、並行して新しいシール作りも。これは「もちもち素材」を使った「スペシャルもっちもちシール」。今はいろんなアイテムにおしりがついてるものが人気で、シールにもつけてみたらかわいいんじゃないかと。これももう人気が出てますね。

――おしりが人気…現代のかわいいはそんなことに。スクイーズ(握ると「もちもち」「ふわふわ」とした独特の感触が楽しめるもの)という流行も近年ありましたしね。

山崎 今の子どもたちは質感にこだわってる気もしますね。ボンボンドロップシールも硬いところがいいと言ってくれたり、スクイーズ自体もまた人気が上がってきてる。なので、こういった手触りみたいなのも大事にしてますね。

――物理的な魅力はスマホやSNSの反動ですかね…いや、こんなものは大人の勝手な決めつけでしかないですね。流行の理由がよくわかりました、ありがとうございました!