【重要】治安が悪化するのは
「外国人だから」ではない

 そこに加えて2の《「日本人と同等の待遇ではない」ことに不満を抱く外国人が「アウトロー」になる》という問題もある。先に断っておくと、これは「外国人が増えると治安が悪くなる」という主張とはまったく違う。

 どんなに綺麗事を並べても外国人労働者には「日本人労働者が嫌がる仕事をやってもらう」という側面がある。そういう問題をクリアするのは賃金だ。嫌なこと、辛いことをやってもらう代わりにそれなりに対価を払う。

 しかし、厚労省の「令和6年外国人雇用実態調査の概況」を見ても外国人労働者は「正社員・正職員以外」が41.6%もいて全体的に給料もそれほど高くない。なぜかというと、日本政府が彼らに求めているのは「小さな会社の延命のための安価な労働力」だからだ。そうなると当然、不満を抱く者もあらわれる。

 それがよくわかるのが技能実習生の失踪だ。よりよい待遇を求めて実習先から逃亡するケースが後を絶たず、出入国在留管理庁によると2024年の失踪者は6510人に上った。ちなみに、そのうちの59%、3865人はベトナム人だ(産経新聞 1月2日)。

 では、逃げたベトナム人はどうするのかというと多いのは「不法就労」だ。3月4日に逮捕された静岡の人材派遣会社社長と工場経営者は、失踪したベトナム人技能実習生65人を金属加工工場で働かせていた(産経新聞 3月4日)。ちなみに、工場を運営する有限会社のホームページによれば社員22名。典型的な「小さな会社」だ。

 また、2月26日、岩手県警は中国籍の会社役員らを入管難民法(不法就労助長)の容疑で逮捕した。実習先から失踪したベトナム人13人を、自身が経営する農園で働かせていたのである(集英社オンライン 3月3日)。

 もちろん、中には失踪する前に「闇堕ち」する者もいる。2025年7月、佐賀県の食品加工工場で働いていたベトナム人技能実習生の男が民家に侵入して1万1000円を奪い、その際に住人の首をナイフで刺して殺害した(産経新聞 2025年7月28日)。

 しつこいようだが、これは「外国人が増えて治安が悪くなった」という現象ではない。

 日本の若者だって闇バイトで集められて、家に押し入って罪もない人を殺めたり、薬物の運び屋をやったりする。これは人種も国籍もなく、経済的困窮にある若者が犯罪に走るというのは世界的に共通する現象なのだ。

 ただ、日本の場合はこのような「経済的困窮にある若者」を、「日本人が嫌がる仕事を安くやらせる」という目的でじゃんじゃん迎え入れていることで、事態をより悪化させている。「労働力の輸入」にともなって「闇堕ちして犯罪に手を染める若者の輸入」も進んでいることを指摘したいのだ。

「日本人の輸出」で考えたら秒でわかる
「労働力の輸入」のヤバさ

 このような問題に加え、長期的に日本にとって大きなマイナスとなるのが3の《日本の制度は外国人を「労働力」としか見ていないので過去と同じ人権問題が繰り返される》ということだ。