なお、当該社員は、公判期日で欠勤することが想定されますので、職場復帰をさせるに当たっては、今後の公判のスケジュールなどを確認し、随時その進捗を報告させるように求めることが相当です。
保釈後の自宅待機は認められる?
長期に及ぶ場合は違法リスクも
Q 社員が逮捕・勾留後保釈されました。自宅待機命令にすることは可能でしょうか。また、自宅待機させている際の賃金はどうすべきでしょうか。
A 自宅待機命令は、業務上の必要性が認められる限度で有効となります。単に、判決が確定していないという事由のみで形式的に自宅待機命令を継続するのではなく、職場環境の調整の状況や、懲戒処分のために必要か否かという観点から、自宅待機を継続させる必要があるか否かを実質的に判断することが重要です。また、自宅待機中は賃金を減額せずに支払うことが無難です。
会社は社員に対して、指揮監督権を有しておりますので、業務上の必要性が認められる限り、保釈中の社員に対して自宅待機命令をすることは可能です。しかし、自宅待機命令が合理的な理由なく長期間に及ぶと違法と判断されるリスクがありますので、あくまで自宅待機につき、業務上の必要性があるといえる限度において行うことが相当です。
社員が保釈されている場合において、単に裁判の結果が出ていないからという理由のみで自宅待機命令を継続すると、裁判が長期化した場合などに違法となるリスクがあります。
前Q&Aにおいて説明したとおり、保釈中の勤務を認めるか否かの判断は、職場環境の調整の状況や、懲戒処分を完了したか否かが重要な要素となります。したがって、自宅待機命令を命じるにつき業務上の必要性があるか否かを検討するに当たってもこれらの視点が重要となります。
この点、社員が公訴事実を否認し、事実認定につき不確定要素が大きく、刑事裁判の結果を待たないと懲戒処分ができないという場合には、裁判の長期化に伴って自宅待機期間が長引いたとしても、業務上の必要性があると判断されやすいでしょう。







