また、他者の深い話を聞くほど、「自分の常識は案外狭かった」と気づかされることも増えていきます。海外に出て初めて日本の良さを理解できるように、他人の思考に触れることで、初めて自分を客観的に見られるようになります。

 自己理解を深めたいなら、自己分析に閉じこもるよりも、他者に向き合い、他者を深掘りする経験を重ねるべきです。そしてその経験が、思考の柔軟性を生み出します。

行動することでしか
柔軟な思考は生まれない

『ゆるストイック』などのベストセラーで知られる起業家の佐藤航陽さんも、次のように語っています。

「行動しない人間ほど偏見や固定観念が多い。やってみればすぐ分かることも、自分では動かないので思い込みが見直されることもない。不思議な話だけど、思考の柔軟性は行動量に依存してる。」(出典:佐藤氏のX)

 行動とは、他者を知り、自分の思い込みを見直すことでもあります。

 人と深く関わり、フィードバックを重ねることで、自分の固定観念の殻を破り、より柔軟な思考が身につくのです。

 だからこそ、メタ認知力を高めるためにも、若いうちから他者にフィードバックする経験をしておくべきだと考えます。

 たとえ部下がいなくても、自分より経験の浅い人に対してフィードバックをする機会を意図的につくる。会社の後輩でも、学生時代の後輩でも、兄弟でも、あるいは中高生が相手でも構いません。要は、自分が「教える側」になることが重要なのです。

 もちろん最初からうまくできる人はいません。

 トライ&エラーを重ねながら、徐々にコツをつかんでいくしかありません。

 フィードバックとは、できるようになってから始めるものではなく、やる立場に立つことでできるようになるものなのです。

 フィードバックには大きく分けて2種類あります。

 知識やスキルを直接教える「ティーチング」と、対話を通じて相手のなかから気づきを引き出す「コーチング」です。

 最初はティーチングから始めれば十分です。明確に答えがあることを教えるだけでも、相手にとっては価値のある時間になります。