そして慣れてきたら、「なぜそう思う?」「できている人はどうしている?」「あなたならどうする?」など、問いを使って相手の思考を引き出す練習をしてみましょう。
この経験を重ねることで自然と質問力が磨かれ、メタ認知力も育っていきます(図1-15)
同書より転載 拡大画像表示
もし「自分はあまり相談されない」と思う人は、社内で新入社員や転職者の世話役を引き受けてみるといいでしょう。
「この分野なら自分のほうが少し詳しい」という立場から始めれば、自然とフィードバックの練習ができます。
メタ認知力が欠けていると
起こる自己認識の悲劇
最後に、メタ認知力が欠けていると何が起こるかについても触れておきます。
メタ認知力が欠けていると、自己評価と他者評価の乖離が大きくなります。
このズレが広がると、「自分はイケてる」と過大評価したり、「自分なんて大したことない」と過小評価したりと、極端な自己認識に陥ります。
特に注意すべきは、マネジメント層が自分を過小評価してしまうケースです。
「自分ができたんだから、みんなもできるはずだ」と思い込むことで、結果的に部下に過剰な期待やプレッシャーを与えてしまう。その結果、部下が自信を失い、メンタルダウンしてしまう――そんなことが現実に起きます。
謙遜は大切ですが、自分の実力を正確に認知することも同じくらい重要です。
『できる人が大事にしている 複利で伸びる仕事術』宮脇啓輔 ディスカヴァー・トゥエンティワン
メタ認知力が高い人は、他者評価と自己評価のズレが少なく、現実的に自分を見られます。だから、謙虚でありながら「勘違い野郎」にはならないのです。
自分の現在地を正しく把握し、今何を求められているのかを理解できる。
このバランス感覚こそが、ビジネスパーソンとしての成熟を支えます。
メタ認知力は、ビジネスにおける「静かな武器」です。
上の人から学ぶだけでなく、下の世代に教える――その循環のなかでこそ、本当のメタ
認知力は磨かれます。
「フィードバックは人のためならず」
それは、最終的に自分を最も成長させる行為なのです。







