高濱:国語力が高い親は、「聞かれたことにちゃんと答えているか」にうるさいんです

 たとえば、子どもが質問と全然違うことを答えると、「そういうことではなく、こういうことを聞いてるの」「全然関係ないね」とサラッと返す。いちいち、です。傍から見ると口うるさく感じるかもしれないけれど、これが当たり前になっている家庭の子は、「相手が何を求めているか」を考える頭が自然とできあがる。そういう親って、子どもの話もちゃんと聞いているんです。子どもが言ってることをちゃんと聞いて受け止める。

会話が垂れ流しか、キャッチボールか

高濱:頭のいい子の親は言葉のキャッチボールをちゃんとしているんです。伸びない子の家は垂れ流し。自分が思いついた感情をそれぞれポンポン投げているだけで、やりとりがない。テレビの音と一緒に家族の声が流れているだけ。誰も誰の話を受け止めていない。この差なんです。

――この差は、入試にも直結しますか?

高濱:垂れ流し文化で育った子は、その「聞かれていること」を読み取る構えが頭の中にない。たとえば国語の記述問題で、「こいつはひどいと思いました」と書いてしまう子がいる。いや、そういうこと聞いてないでしょ、と。でも、その子にはわからない。家で一度も「聞かれたことに答える」経験を積んでいないから。

すべての入試問題には、出題者の意図があります。「この作者の隠れた本質を見抜けますか」「この図形の中に補助線が浮かびますか」――問題には必ず、聞きたいことがあるわけです。

「聞かれ方とにちゃんと答える」というすごく些細なことでも、積み重ねると「入試問題の出題者が意図していることに答える」につながるのです。

<本稿は『たった1日で誰でも開成・灘中の算数入試問題が解けちゃう本』(菅藤佑太著)に関するインタビュー記事です>

高濱正伸(たかはま・まさのぶ)
花まる学習会代表。算数オリンピック作問委員
1959年、熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、幼児・小学生向けの学習教室・花まる学習会を設立。作文・読書・思考力・野外体験を重視したユニークな教育手法は、テレビ「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など数多くのメディアに紹介されて大反響。子育てに悩む母親の救世主とも称される。