◆「グサっとくる…」ほんとうに報われる努力と単なる「逃げ」の決定的な違い
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
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努力は実は「逃げ」かもしれない?
今日は「その努力は実は逃げかも」というお話をしたいと思います。人間が一生懸命に努力して物事に向き合うことは素晴らしいことですが、実はその「努力」こそが「現実からの逃げ」になっている可能性がある、ということについて解説します。
心を守る「防衛機制」と認知的不協和
ここで重要になるのが、「防衛機制」という心理学の考え方です。人間は、今の現状がなかなか受け入れがたい時(これを「認知的不協和」と呼びます)、心に葛藤を抱えます。そして、その葛藤を鎮めて現実を受け入れるために、自分の心に嘘をつくことがあります。
有名なイソップ童話の「酸っぱい葡萄」が良い例です。キツネは高いところにある葡萄がどうしても食べたいのに、手が届きません。「葡萄が欲しいけれど手に入らない」という現実が認知的不協和を生み、葛藤します。
そこでキツネは、「あの葡萄は酸っぱいからいらない」と自分に嘘をつくのです。そう考えることで心の葛藤を収める、これが代表的な「防衛機制」の一例です。
防衛機制のレベルと「昇華」
防衛機制には、レベルの低いものから高いものまで様々な種類があります。なるべくレベルの高いものに変えていったほうが、人は人生に対して肯定的になれると言われています。
●レベルの高い防衛機制:自分のコンプレックスを解決するために努力する、あるいは、どうしようもない現実を詩や文学、歌などの創作活動に変える。これは「昇華」と呼ばれ、人生を改善させる効果があります。



