走り出してすぐに分かる、乗り味、走り味の進化
ADAS性能でも想像以上の進化

 では、試乗に移ろう。

 RAV4のグレードである「Adventure」、そして「Z」の順番で乗った。

 結論から言うと、トヨタによる「とても丁寧な仕事」だと感じた。

 その上で、走り味、そしてドライバーが走行中に抱く満足感や驚きは、先代と比べて「明確に違う」と直感できた。

 ユーザーがカタログデータ上で先代と6代目を比較すると、「どんな違いがあるのか?」と疑問を持つかもしれない。

 なにせ、ボディデザインに変更があっても、ボディ寸法が先代とまったく同じだからだ。

 具体的には、全長4600mm×全幅1855mm×全高1680mm、ホイールベースは2690mm。フロントタイヤの中心点から車体先端までのフロントオーバーハングが920mm、またリアオーバーハングが990mmである。

 車内についても、前後シートの距離、荷室全長なども先代と同じという、フルモデルチェンジという観点ではなんとも大胆な設計である。

 だからといって、いわゆるビッグマイナーチェンジではなく、クルマとして抜本的な変化がある。

「Adventure」で走り始めてまず感じたのは、見切りの良さの向上だ。先代ではダッシュボード全体が直立方向に立っていて、横方向に水平なデザインだった。それが6代目になると、ダッシュボード上部が水平方向に円を描き、ダッシュボディ全体が低く感じる。車幅18が55mmあっても、前方と斜め左右の見切りは悪くない。

新型「RAV4」、「Adventure」グレードのインテリア新型「RAV4」、「Adventure」グレードのインテリア Photo by K.M.

 次に感じた先代との違いは、ハンドル操作からクルマ全体の上質感が分かる点だ。車体剛性の向上、車体とサスペンションとの接合部分の剛性向上、そして車体各所での高減衰接着剤の採用などからドライバーは路面、タイヤ、サスペンション、車体を介するクルマ全体の進化を手のひらで感じ取れる。

 乗り心地も良くなった。都心の一般道と首都高速を走行すると、マンホールや道路のつなぎ目の乗り越えで、路面からタイヤへの入力を「いなしている」ことが分かる。

 総じて「クルマ全体の雑味が減った」という表現が妥当だろう。

 オフロード走行も想定したシティユースを優先するこのクラスのSUVでは近年、スバル「フォレスター」、日産「Xトレイル」、ホンダ「CR-V」なども同様に「雑味の軽減」を実現しているが、6代目RAV4でも「明らかに上質」と分かるほど雑味が減った。

 ブレーキのタッチもいい。従来型の蓄圧タイプから、新電子制御ブレーキシステムを採用したオンデマンド加圧タイプへの変更が大きな効果を生んでいる。HEV(ハイブリッド車)特有のブレーキフィーリングではなく、ガソリン車と同じくコントロール性と応答性が良い。

 パワートレインはガソリン仕様がなくなり、排気量2.5Lのハイブリッドによる全輪駆動をベースにリアをモーター駆動するE-Four(電気式4輪駆動方式)を継承。モーター出力は約8%向上し、燃費も改善した。

 ドライブモードはECO、NORMAL、SPORTを使い分けたが、上質さを優先する走りには、出足がじんわりかつ伸び感がしっかり分かるECOが都心ドライブにはマッチした。