そうしたなか、「新しい成田空港」構想(成田空港第2の開港プロジェクト)のもと、新貨物地区の整備も進行中だ。この計画では、貨物上屋やフォワーダー施設など分散している航空物流機能を集約し効率性を追求。加えて、貨物上屋とフォワーダー施設の連携強化によりトランジット貨物の需要取り込みを促進する。このほか、空港隣接地との一体的運用や労働環境・生産性の改善に向けた自動化も進めていく方針。

 25年12月にはマスタープランの策定に着手しており、関係者の意見を反映した基本的なレイアウトや配置の検討を進める。さらに、今年1月には新貨物地区の方向性議論に向けた検討会を設置。貨物オペレーションの自動化や規格共通化などの根幹部分の方向性について関係事業者などと議論していく。

滑走路の新設も!成田・関西・中部空港が国際貨物を拡張する勝算とは?関西空港は国際貨物地区の改修に着手 Photo:カーゴニュース

関空は貨物上屋を最大5割拡張
医薬品輸送で最高品質へ

 大阪税関が発表した25年における関西空港の航空貨物の総取扱量は、4.2%増の77万7780トンとなり、このうち積込量は2.0%増の34万6433トン、取卸量は6.1%増の43万1347トンだった。総取扱量・積込量・取卸量のいずれも2年連続でプラスとなった。

 輸出額は8.1%増の7兆3621億円、輸入額は6.9%増の4兆9733億円とどちらも2年連続で増加し、輸出額は過去最高を記録した。輸出品目では半導体等電子部品と遊戯用具が、輸入品目では半導体等製造装置と事務用機器が増加した。輸出先ではアジア・中国が過去最高額となり、輸入先では米国が過去最高額となった。国際線貨物便の発着回数は1%減の1万7887回だった。

 25年12月に国際貨物地区改修プロジェクト「Cargo Next→」を発表した。24年に開港30年を迎えた同空港では、今後の30年を見据えた貨物上屋のキャパシティ拡張や機能向上、効率化を図り、貨物地区への投資を加速する。関西の貨物輸送需要については現在、6割程度しか取りこめていないとして、今回の改修を通じて潜在的需要となる残り4割の取り込みを狙う。

 同プロジェクトでは現在ほぼ満床状態となっている貨物上屋について、段階的投資によって上屋面積の最大50%拡張を目指し、まずは短期的に5%拡張を実施するとともに、施設リノベーションの同時実施を検討する。また、DX・自動化技術の導入検討やエリア内における上屋再配置を通じて効率性向上を図る。

 貨物戦略における今後10~15年の優先事項として、貨物ステークホルダーと戦略的に事業連携して貨物の集約を図ることで西日本の航空貨物ゲートウェイの実現を目指す。また、医薬品貨物専用の定温共同上屋「KIX Medica」の機能強化や、航空機から上屋まで一貫したクールチェーンの構築により、医薬品輸送において国内最高品質のサービス提供の実現につなげていく。