自分の作家としての姿勢が間違っていなかった

「連ドラで描いた朝鮮人差別や原爆裁判もそうですが、現代においてもまだ解決されていない差別の問題について書くことは本当に難しいです。でも今回、描いたことも憲法14条をテーマにした以上、避けて通ることはできなかった。どういうふうに描いたらいいか、シナリオ打ち合わせで考証の先生がたに相談し、たくさん知恵をいただきながら描きました。それでも描きたいという私に、NOと言わないでくれた『虎に翼』チームが私は好きです」
戦後、身を売って生きるしかない女性のことも勉強して描いた。あらゆる抑圧された人たちをあますことなく描こうとしている。吉田さん自身が自分の思いを貫くことを実践しているのを感じる。理想を口だけで言っているだけでなく行動が伴っているからこそ、支持する人たちが少なくないのだと筆者は思う。
「朝ドラを書くことが脚本家としての目標でした」という吉田さん。朝ドラのスピンオフのみならず映画化も決まった。国民的ドラマといえど映画になった作品は数少ない。取材会で、ここまで作品が大きく育ったことに戸惑いはないかという質問があった。
それには「物事に誠実に向き合ったからこそこんな嬉しいことがいっぱい起こるのかなと思いました。自分の作家としての姿勢が間違っていなかったと感じます。戸惑いはないです。イエーイと思っています」と快活に答えた。
今回はよねと轟の物語をスピンオフとして描いたが、『虎に翼』には魅力的な人物が多くいる。あのキャラもこのキャラもスピンオフが見たいという声もあるだろう。
「基本的に登場人物を描くとき、脇役であってもこの人が主役でもいいと思える人を描こうと意識しているので、いくらでも誰でも描けます」と吉田さんは自信をもって答えた。
【プロフィール】
よしだ・えりか
1987年生まれ。神奈川県出身。脚本家、小説家。よるドラ『恋せぬふたり』(22年)で第40回向田邦子賞、ギャラクシー賞を受賞。朝ドラこと連続テレビ小説『虎に翼』(NHK)が社会現象的な人気を得た。ほかにテレビドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』、映画『ヒロイン失格』『センセイ君主』などがある。
よしだ・えりか
1987年生まれ。神奈川県出身。脚本家、小説家。よるドラ『恋せぬふたり』(22年)で第40回向田邦子賞、ギャラクシー賞を受賞。朝ドラこと連続テレビ小説『虎に翼』(NHK)が社会現象的な人気を得た。ほかにテレビドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』、映画『ヒロイン失格』『センセイ君主』などがある。








