身近な人が亡くなったら、免許とパスポートは絶対返納!? 意外な正解とは?
大切な人を亡くした後、残された家族には、膨大な量の手続が待っています。しかも「いつかやろう」と放置すると、過料(行政罰)が生じるケースもあり、要注意です。本連載の著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超え、現場を知り尽くしたプロフェッショナルです。このたび、最新の法改正に合わせた『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』が刊行されます。本書から一部を抜粋し、ご紹介します。

身近な人が亡くなったら、免許とパスポートは絶対返納!? 意外な正解とは?Photo: Adobe Stock

身近な人が亡くなったら、免許とパスポートは絶対返納!?

 本日は「相続と障害者控除」についてお話しします。年末年始、相続について家族で話し合った方も多いかと思います。ぜひ参考にしてください。

運転免許証の返納は必要?

 運転免許証を所有していた方が亡くなった場合、運転免許証の返納手続が必要になります。ただし、返納は義務ではありません。返納せずに、そのまま所有していた場合であっても、自動的に運転免許証の効力は失われます。

 しかし、故人の免許証をそのまま放置していると、盗難や紛失により第三者に悪用されるリスクがあります。また、更新時期が近づくと、「運転免許証更新連絡書」の通知(ハガキ)が届きます。この通知の送付を停止するためには、返納の手続が必要になります。

返納期限は?

 故人の免許証返納の申請には、特に期限は設けられていません。「速やかに」手続を行うようにしましょう。

返納に必要なものは?

○返納する運転免許証
○亡くなったことを証明する書類(死亡診断書のコピーなど)
○申請に行く方の本人確認書類(運転免許証など)

返納場所は?

 故人の住所地を管轄する警察署や運転免許センターで返納手続ができます。土日、祝日、年末年始は休みのところがありますので、事前に確認しましょう。

運転経歴証明書も返納する?

 近年、高齢などによる運転能力の低下を自覚し、免許証を自主的に返納する方が増加しています。しかし、公的な身分を証明する本人確認書類がなくなってしまうことを心配する声も多く、そういった方のために導入された制度が「運転経歴証明書」です。

 運転経歴証明書は、免許を持っている人が免許のすべてを申請で取り消した日から、過去5年間の運転経歴を証明するものです。この運転経歴証明書も運転免許証と同様に、返納することが可能です。運転免許証の自主返納(申請による取り消し)は、大型免許と普通免許を持っている方が、大型免許だけを取り消し、普通免許のみにするなど、一部を取り消すことも可能です。運転経歴証明書は、すべての免許を取り消した後に交付を受けることができます。

運転免許証は返却してもらえる

 返納手続が終わった運転免許証は希望すれば、返却を受けることができます。無効の証明としてパンチで穴があけられますが、思い出に返却を受けるのもいいかもしれませんね。

パスポートは?

 旅券法第19条により「遅滞なくその旅券を返納しなければならない」と定められています。故人のパスポートと死亡の事実が確認できる書類、窓口に行く方の本人確認書類を持参し、最寄りのパスポートセンターに届け出ましょう。

(本原稿は『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)