競争社会を勝ち抜いた強者ほど
排他的な態度を取りやすい?

 収入と資産をみると、「新自由主義右翼」の豊かさがきわだっている。平均世帯年収は812万円で、「リベラル」(643万円)と「伝統保守」(687万円)を大幅に上回っている。世帯年収が1000万円以上の富裕層の比率をみると、「新自由主義右翼」は32.1%で、ただ1つ3割を超えている。

 反対に貧困率は、他のクラスターが11-17%台であるのに対して、8.5%と1割を下回っている。資産総額は3370万円にも達し、「リベラル」を1000万円以上、「伝統保守」を900万円以上も引き離している。平均年齢が高いわけではないので、これは「新自由主義右翼」が、他のクラスターよりも階層的に上位に位置しているということを意味する。

 また高学歴者比率をみると、「新自由主義右翼」は66.8%と高く、高学歴者中心のクラスターであることがわかる。これに対して「リベラル」は、54.3%とやや低くなっている。

 つまり「新自由主義右翼」は、高学歴かつ高収入で、多くの資産を所有する、主に男性たちである。自分たちの経済的利害に忠実に、自己責任論を支持して所得再分配に反対する人々である。

 そして日本が憲法改正によって軍隊をもつことを強く支持し、沖縄への米軍基地の集中を容認し、そして外国人に対しては排外主義的な態度を示す人々である。原子力発電所の廃炉に反対し、戦争を人間の本能によるものだとして容認し、同性愛などの性的多様性を否定する傾向も強い。また自民党支持率が高く、その支持基盤の中核に位置している。

新自由主義右翼は
自民党の強固な支持層

 各クラスターの政治参加についてみておこう。2022年三大都市圏調査では、国政選挙と自治体選挙のそれぞれにおいて、投票しているかどうかについての設問を設けた。選択肢は、「いつもしている」「よくしている」「ときどきしている」「めったにしない」「したことがない」の5つである。

 図表8・8の上半分に示したのは、このうち「いつもしている」と答えた人の比率である。

図表8・8 5つのクラスターの政治参加同書より転載 拡大画像表示