国政選挙についてみると、比率がもっとも高いのは「新自由主義右翼」で、58.3%と6割近くに達している。次いで高いのは「伝統保守」(56.0%)と「リベラル」(55.9%)だった。「無関心層」が41.4%と低いのは当然だが、「平和主義者」も44.6%とかなり低い。自治体選挙では全体的に投票に積極的な人の比率が低くなるが、傾向は同じである。

 図表8・8の下半分は、5つのクラスターが自民党支持者と野党支持者に占める比率をみたものである。先述のように、5つのクラスターが全体に占める比率は、「リベラル」が26.4%、「伝統保守」が21.0%、「平和主義者」が20.9%、「無関心層」が18.5%、「新自由主義右翼」が13.2%だった。

 ところが自民党支持者に占める比率をみると、「新自由主義右翼」の比率が23.5%と跳ね上がる。「新自由主義右翼」の自民党支持率が、他のクラスターより格段に高いからである。しかも「新自由主義右翼」の投票率は、他のクラスターより高い。したがって自民党の得票に「新自由主義右翼」の票が占める比率は、さらに高くなるはずだ。

 野党支持者に目を転じよう。野党支持者の半数近く、44.9%までが「リベラル」である。当然の結果だが、投票率が高いと思われる「伝統保守」「新自由主義右翼」からは、それぞれわずか17.2%、6.1%の支持しか得ていない。「平和主義者」から17.8%、「無関心層」から14.1%の支持を得ているが、これらの人々の投票率は低い。

有権者より右で動く
自民党政治の実態

 政治学者の谷口将紀は、有権者と国会議員を対象とした調査の結果から、興味深い結論を得ている。

「右-左」、あるいは「保守-革新」という軸からみると、国会議員の政治的態度の分布は、有権者のそれよりも右=保守にずれている。それというのも、自民党の議員の政治的態度が、有権者から大きく右=保守にずれているからである。そしてこの傾向は、民主党に政権を奪われた党勢衰退期から、反転攻勢に出る過程で、保守層の地盤強化を優先させた結果だという。