衆議院選挙を前に党首討論に臨んだ各党の党首Photo:Anadolu/gettyimages

長期金利、円安や日本経済の行方
四つの選挙結果シナリオで分析

 高市早苗首相は通常国会冒頭での衆議院解散に踏み切り、総選挙が1月27日に公示(2月8日投開票)された。

 首相は、高支持率を背景に、総合経済対策を盛り込んだ2025年度補正予算や26年度当初予算案など「高市積極財政」推進のためにも、安定した政権基盤が必要と、衆院解散の理由を説明している。選挙での勝利目標は「与党での過半数維持」と、低めのハードル設定をしたが、実際の目標としては自民党での単独過半数獲得を念頭に置いていると思われる。

 だが、立憲民主党・公明党による新党(中道改革連合)結成の影響もあり、自民党は苦戦を強いられる可能性もある。新党結成が奏功して議席大幅増となり、自民・維新の過半数獲得が困難になることも考えられる。一方、新党結成に対する批判の声もあり、そこまでの追い風は見込みにくいという見方も成り立つだろう。

 足元の日本経済は、高市政権への経済政策への期待などから株式市場は活況だが、債券市場は積極財政路線への警戒感がくすぶり、長期金利が約27年ぶりの高水準まで上昇、為替市場では円安基調がなお続いている。

 衆議院解散・総選挙の流れを受けて与野党双方が消費税減税に言及したことで、消費回復などへの期待も出ている一方で、財政規律の緩みに対する懸念が強まっている。総選挙の議論や選挙後の政治的枠組み次第で、日本経済・金融市場はさまざまな動きが出てきそうだ。

 選挙の情勢は予断を許さないが、(1)自民党が単独で過半数を獲得するケース、(2)自民・維新の連立与党で過半数を獲得するケース、(3)自民・維新連立で過半数を獲得できず少数与党・多党政治が継続するケース、(4)中道改革連合が比較第一党となるケース(政権交代が起こることまで想定)―の主に考えられる四つのシナリオ別に、選挙後の経済政策運営と金融市場・日本経済に与える影響を展望してみたい。