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今年2月の衆院選で中道改革連合が大敗したのは記憶に新しい。さらに2025年7月の参院選でも、自民党への逆風が吹いたにもかかわらず、リベラル勢力はその受け皿になりきれなかった。一方で、筆者らが4万3820人を対象に行った調査では、戦後革新の立場に近い層は計47.3%(リベラル26.4%、平和主義者20.9%)と最大勢力を占める。それにもかかわらず、なぜ彼らは国政選挙で勝てないのか。分析の鍵を握るのは「新自由主義右翼」という存在である。※本稿は、社会学者の橋本健二『新しい階級社会 最新データが明かす〈格差拡大の果て〉』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
格差を自己責任で片づける
「新自由主義右翼」の思想
伝統的な保守の政治的立場に加えて、新自由主義的な自己責任論を振りかざし、格差解消の必要性を否定し、原子力発電を擁護し、戦争を人間の本性による必然と考え、性的マイノリティの承認を拒むという、「新自由主義右翼」のユニークさはきわだっている。
それでは「新自由主義右翼」とは、どのような人々なのだろうか。
図表8・7は、各クラスターの年齢、性別構成、収入と資産、学歴など、諸属性をまとめたものである(編集部注/筆者は調査回答者を、政治的傾向をもとに、次の5つのクラスターに分類している。◆「リベラル」…26.4%。所得再分配を支持し、憲法改正には反対で、典型的な戦後革新の立場をとる。◆「伝統保守」…21.0%。所得再分配も憲法改正も支持し、沖縄の米軍基地を容認。◆「平和主義者」…20.9%。所得再分配には否定的で、憲法改正も沖縄への米軍基地の集中も認めない。◆「無関心層」→18.5%。政治イシューにたいして「よくわからない」と回答。◆「新自由主義右翼…13.2%。所得再分配を否定し、憲法改正支持、沖縄への米軍基地集中を容認、排外主義的な傾向が顕著)。
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平均年齢は、「無関心層」が42.1歳と低く、「リベラル」(49.0歳)と「伝統保守」(47.7歳)がやや高い。20歳代の若者の比率をみると、無関心層が22.3%と他のクラスターを大きく上回っている。男性比率をみると、「リベラル」(42.0%)と「平和主義者」(42.4%)が低くなっており、この2つは女性中心のクラスターとみることができる。これに対して、「新自由主義右翼」は67.3%と3分の2を超え、明らかに男性中心のクラスターであることがわかる。







