それでも都内で一軒家を建てるのに比べたら相当安く済むと思うが、近年の資材高騰で全体的に価格は高くなっている。新築の場合、狭くても最低3000万くらいはかかると思っておいたほうがいい。

下手をすれば冬に凍死する山では
ストーブの設置費用が馬鹿にならない

 偉そうに安い物件には安い理由があると言っている私だが、当時はそんなこと全然意識していなかった。身をもって経験したから断言するのである。

 修繕に関して、わが家のケースを紹介しよう。幸いにも破格の値段の中古物件を手に入れたが、後が大変だった。

 まず困ったのは、雨漏りがひどかったことだ。そのためバケツを大量に買ってきて、雨の日はしのいでいた。そして腰越に帰るときはリビングにテントのようにブルーシートを貼り、家具が濡れるのを防いでいた。

 雨漏りしているなら屋根を修理すればいいが、雨漏りする箇所が特定できないから屋根全面を張り替えないといけない。すぐにその費用を出す余裕がなかったから苦肉の策としてそうしたのだ。

 次に断熱効果だった。夏に山の家を手に入れて、2、3カ月は掃除やらテラスにオイルステインを塗ったり、草刈りしてドッグラン作りに費やしているうちに秋になった。気密性も悪く暖房器具もないため、当初はサマーハウスとして考えていたが、その頃には冬にも来たいと思うようになっていた。大福が山に来る度、イキイキした顔をしていたからだ。

テラスにオイルステインを塗る著者テラスにオイルステインを塗る著者

 となると、暖房器具を用意しないといけない。そこで地元の設備業者に見てもらって相談してみると、担当者いわく、この家に薪ストーブを入れてもそれほど温まらないだろうという。理由は気密性と断熱材で、恐らくこの建物には断熱材は入っておらず、窓もアルミサッシの一枚ガラスだから、いくら薪ストーブを焚いたところで熱がどんどん逃げてしまうとのこと。