それでは体育館にあるような大きな石油ストーブはどうかと尋ねると、それはあまり意味がないという。なぜなら、一般的な石油ストーブや石油ファンヒーターは定期的に換気が必要で、怠ると一酸化炭素中毒になる。窓を開けて換気すると、一気に冷気が入り込むので、また室内が冷える。

 そして再び温まった頃、換気するとまた冷えるのエンドレスになるというのだ。

 ではどうすればいいかと聞くと、寒冷地仕様のFF式(強制給排気Forced Draught Balanced Flueの略)ストーブというものがあるという。

 壁際に設置するストーブで排気口が外に出ているから換気は不要、燃料は屋外に100リットルの灯油タンクを設置してそこからストーブが自力で補給する。エアコンと同じく設定温度になれば止まり、温度が下がるとまた作動する。それならある程度、暖は取れるのではないかとのこと。

 なぜそんなに真剣に考えるかというと、標高1450mの冬はマイナス15℃くらいになるからだ。暖房器具がないと室内でも凍死するレベルである。ファンヒーターくらいでは到底太刀打ちできない。そこで仕方なく、FF式ストーブを設置することにしたが、設置費用は結構高くついた。

 だから中古物件を買う前に、断熱効果や暖房器具の有無はちゃんと確かめておいたほうがいい。暖房器具だけでなく、あちこち補修したり、リフォームしたり、思いも寄らないことにとにかく費用がかかる。

物件の購入費も含めた
コストは計約1600万円

 山に移住やセカンドハウスを考えている人は、環境だけでなく、かかる費用も気になると思う。鎌倉市腰越に一軒家があり、八ヶ岳にセカンドハウスを手に入れたからセレブだと思うかもしれないが、実は全然そんなことはない。幸いにして格安物件があり、大工さんと出会うことができたおかげで今の状態がある。

 私が山に家を買った時期とは状況が変わり、中古物件の価格が上がっているし、大工さんに直接お願いすることで工務店と比べるとずいぶん安く抑えられたから、いざやろうと思うとこんな金額では難しいと思うので、参考程度にしてほしい。

 というわけで、私のケースを正直に紹介しておこう。

 まず、300坪の敷地に建つ築50年の山小屋は、200万だった。当時はこれくらいの中古物件が結構あったのだ。

 朽ち果てていた階段を撤去して、新たな木製の階段の設置に30万、FF式ストーブに30万かかった。

 次に、雨漏りする屋根の葺き替えが230万くらい。雨漏りはなんとしても直さないといけなかったので仕方ないが、いくつかの業者に見積もりを依頼してみると、それぞれ価格が全然違ったので、何かを業者に頼むときは複数業者に見積もりを依頼することをお勧めする。