関大が司法試験合格率を
回復させたプログラム

 関西大学は、司法試験合格実績でかなり厳しい年があった。2018年合格者6人、合格率6.3%だった。かなりの危険水域である。しかし、2022年になると15人、27.9%と盛り返した。めぐり合わせもあるだろう。現役組、浪人組の優秀な層が集まった年、その翌年と隔年現象が起こったと言える。

 大学は次のような認識のもと、新しい構想を打ち出した。

「本研究科の修了生の司法試験合格率は低く、しかも合格までに長年を要している。本研究科が取り組むべき課題は、法科大学院の2年ないし3年間で法曹としての専門的知識を確実に修得させ、短期間で司法試験に合格できるようにすることである」(「法科大学院の機能強化構想について」~令和6年度法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム審査結果~)

 そのため、(1)法学部に「法曹コース」を設置し法学部との体系的かつ一貫した教育システムを構築する。弱点である論理的な法律文書作成能力の弱さを克服するための教育を実施する。合格に要する期間の短縮を実現する。(2)大阪大学法科大学院との連携により、教育内容の改善と両校学生間の切磋琢磨を促進し、本学学生の学修意欲と学修能力の引き上げる――ことを掲げた。

 司法試験合格者、司法修習所修習生の進路は次のとおり(2008年~2023年)

 弁護士事務所261人、企業内弁護士30人、検察官4人、裁判官1人、裁判官事務官1人、法テラス2人、民間企業4人、学校法人1人

 2024年、法学部在学中、2年生のとき司法試験予備試験に合格、4年生になって本試験に受かった男子学生がいる。法科大学院からの合格者にはカウントされない。彼はこう振り返る。

「予備試験合格までは、試験直後を除きモチベーションが下がったことはあまりありませんでしたが、予備試験の論文式試験に合格するまでは基本的に勉強仲間を作らず1人で勉強をしていたため、SNSを利用し他の受験生・合格者の方の投稿を見ることにより、情報収集・モチベーション維持を行っていました。

 予備試験合格後は、燃え尽きたことにより司法試験へのモチベーションがかなり下がってしまいましたが、学部ゼミや同い年の他大学の予備試験合格者との自主ゼミにより、なんとか最低限のモチベーションを維持していました」(法学部ウェブサイト2024年11月18日)

 司法試験予備試験 受験46人 合格3人(2年生1、3年生1) 合格率6.5%(2024年)