2009年商学部を卒業した女性は、現在、全日空のキャビンアテンダントをつとめている。こう記している。

「お客様の様子から私にできることを考えて行動した結果、お客様に『乗って良かった』と思っていただけた時、特に嬉しさを感じます。大学では、多くの人と出会い、多様な価値観を学ぶことができました。

 ゼミでイベントを企画して思い切り遊んだこと、電子商取引について研究し、企業へお話を聞きにいったことなどが印象に残っています。苦しい時も助け合い、あきらめずに研究をやり遂げた経験は、今、チームで仕事をする上でとても大切にしています」(「商学部案内」2026年版)

 キャビンアテンダント採用者をまとめた(表8-8)。関西学院大がもっとも強い。次に同志社大がくる。女子学生比率が高いということも要因の1つにあげられる。

表8-8同書より転載 拡大画像表示

内定獲得まで学生を
鍛えあげる立命館大学

 立命館大は、1999年キャリアセンターを設置した。日本で初めてと言われている。これまで大学には進路関連を担当する部署は「就職課」という名称が一般的だった。キャリアセンターと称するようになったのは、就職先を紹介、斡旋するのではなく、内定獲得まで学生を鍛えあげることを目的としているからだ。

 エントリーシートの書き方、面接の受け答えなど手取り足取り感はあるが、そこまで徹底させないと学生は本気にならないという親心からだろう。一方で大学として就職率を高めてそれをアピールしたいという思惑はある。

 キャリアセンターでは現在、40人以上の専門スタッフが学生の多様な相談に応じてサポートを行っており、こう自負する。

「……各学部に担当スタッフを配置して、さまざまな業界や企業についての情報提供も積極的に実施しています。こうしたきめ細かいサポートの成果は、1学年の在籍学生数が8000名を超える総合大学でありながら、卒業生の進路把握率は98.5%と非常に高いことにも示されており、「学生1人1人の希望する進路の実現」に向けて、総力を結集して支援しています」(「大学案内」2026年版)

書影『関関同立――関西の四大私大事情』(小林哲夫 ちくま新書、筑摩書房)『関関同立――関西の四大私大事情』(小林哲夫 ちくま新書、筑摩書房)

 2024年グローバル教養学部を卒業して、オリックスに入社した女性の話を紹介しよう。彼女は輸送機器事業本部航空事業グループで働き、日本の投資家向けの航空機投資に関わる部署で、航空機売買のプロセスをフォローしている。

「書類作成や進捗管理、またアイルランドにある航空機専業のグループ会社とのやり取りなど、幅広い業務を担っています。大学時代、記憶に残っているのが、オーストラリア国立大学(ANU)の『Global Governance in the Asia Pacific』という授業です。ESG(環境・社会・ガバナンス)やAI、政治、国際紛争など一見関連性がない事柄が、実際には深く結びついていることを学びました。

 また卒業論文では中国の『双循環戦略』について研究し、日本経済政策学会での発表も経験しました。学びや研究を通じて培った異なるバックグラウンドを持つ人とのコミュニケーションスキルや物事の関連性を考え本質を理解する力は、今の業務にも活きています」(「グローバル教養学部案内」2026年版)

 関関同立の就職先となる上位企業、団体をまとめた(表8-9)。

表8-9同書より転載 拡大画像表示