2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』が刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の内容をもとに、抜粋・再構成して特別公開する。

組織の違和感Photo: Adobe Stock

「うちは仲いいからさ」が危ない

 3月は年度末で、翌月からの異動や入社に備えているという人も多いでしょう。

 組織体制の大きな改革があるのも、この時期です。

 1年の総括や、来年度に向けてのキックオフミーティングが開かれるところも多いと思います。

 そんなときだからこそ、見逃してはならないサインがあります。それは、

 「うちは仲がいいからさ」「一体感あるよね」という空気が強すぎる

 ということ。

サインとして受け取るくらいがちょうどいい

 もちろん、仲がいいこと自体は悪いことではありません。
 安心して話せる関係性や、互いを尊重できる空気は、組織にとって大切です。

 ただ、それが行きすぎると、話は別です。
 相手に水を差さないことが優先され、あえて異論を言わなくなる。
 違和感があっても、「まあ、いいか」「今ここで言わなくても」と飲み込まれていく。

 そんな組織が、新しいものを生み出すことは稀でしょう。

 自分の中に正解があるとは限らない時代です。何がヒットするか、何が叩かれるか、誰にも正解がわからないことのほうが多い。

 だから少しのズレがあったとしても、当事者を潰そうとせず、悲観もしすぎないこと。そのズレが、いまだかつてない何かを生む種なのです。

 違和感をなかったことにもせず、ひとつのサインとして受け取っておくくらいでちょうどいいので、「一体感」や「一丸となる」に惑わされてズレという大事なサインをなかったことにしない

 不正が報道された中古車会社のように嘘をついてでも(靴下にゴルフボールを入れて車両をぶっ叩いてでも)顧客からふんだくることを「望ましい」とされれば、それをやるのが、悲しいかな人間です。

避けられない変化には「調整」が役に立つ

 どんなにベストな布陣でメンバーを揃えたと思っても、採用や異動などでメンバーが替わることはあり得ます。

 そうなったとき、もう一度メンバー全員の持ち味を洗い出して、自分の振る舞いを調整していってほしいのです。

 「自走する組織をつくる!」「チーム一丸となって」などといったスローガンを声高に叫ぶだけでは、変化に対応できない、脆い組織になるだけです。それより、今いるメンバーをよく見てください

 今のチームを観察し、自分とメンバーを知ることで、仕事を進めていくうえで足りない機能をあぶり出す。

 そのうえで、どんな言い方をすれば改善をうながすことができるか、つねに考えつづけましょう。