2026年3月4日、中国・北京の人民大会堂で開催された中国人民政治協商会議(全国政協)第14期全国委員会第4回会議の開幕式に出席した中国の習近平国家主席 Photo:Lintao Zhang/gettyimages
中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰する中、中国は備蓄放出や輸出を拒み、逆に輸入を加速させています。世界最大の尿素生産国でありながら、肥料の輸出も厳格に制限。中国指導部が今「もっとも恐れていること」とは?(北海道大学公共政策大学院研究員 王 彦麟)
石油の備蓄放出や輸出を拒否
中国が「もっとも恐れていること」とは?
米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦が始まると、国際エネルギー市場は瞬く間に揺れた。これを受けて国際エネルギー機関(IEA)は2026年3月、最大4億バレルの石油備蓄を放出する方針を打ち出した。目的は明確である。原油価格の急騰を抑え、市場のパニックを防ぐことだ。
だが、中国の動きはまったく異なる。
中国はロシアとつながる石油パイプラインを持ち、米国の制裁の影響を比較的受けにくい立場にある。理屈の上では、多くのIEA加盟国よりも余裕をもって危機に対応できるはずだ。それにもかかわらず、中国は石油備蓄の放出に踏み切っていない。ロイター通信によれば、中国政府は国有石油大手・シノペックによる約9500万バレルの備蓄放出提案すら退けたという。
では、中国は何をしているのか。
実際には、むしろ備蓄を積み増している。2026年1~2月の原油輸入は前年同期比で約16%増加し、3月に入ってもその動きは続いている。また国内の燃料価格については上限を引き上げつつも、国際価格の上昇分を完全には転嫁していない。さらに、精製石油製品の輸出規制も強化している。
安価に輸入した原油を
精製して輸出するだけで利益になるが…
この一連の政策は何を意味するのか。







