学校の授業で学ぶ歴史には、偉人たちの輝かしい功績や「すごい」エピソードが数多く登場します。しかし、どんな人物にもそれだけでは語れない一面があります。歴史をひもとくと、「すごい」人の中にも、思わず目を疑うような「やばい」行動や選択が、数多く記録されているのです。
そんな「すごい」と「やばい」の両面から、日本史の人物のリアルな姿に迫るのが『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』。今回取り上げるのは、「日本最初の天皇」ともいわれる人物。最初の天皇というと「神武天皇」を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、それは神話上の人物です。本記事では、実在した最古の天皇とされる人物の意外な素顔に迫ります。
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自分のすごさをアピールしたナンパ歌が万葉集にのる
雄略天皇は日本の歴史書『古事記』『日本書紀』では21代目の天皇ということになっていますが、じつは実在した天皇はかれが最古ともいわれています。
当時は「天皇」という称号もなく、かれは「獲加多支鹵大王(わかたけるおおきみ)」とよばれていました。埼玉県と熊本県から「獲加多支鹵大王」と刻まれた鉄剣が出土したことで、かれが埼玉から熊本までの広い範囲を支配していたことがわかったのです。
その名は日本国内だけにとどまらず、中国の歴史書『宋書』の中の「倭国伝」に出てくる「倭王の武」もかれのことだとされています。
そんな雄略は、自分のすごさをばっちり自覚していました。そして、ナンパが好きでした。
日本初の和歌集『万葉集』には、かれが女性をナンパしながらイキる歌が一発目に掲載されています。
(前略)家のらへ 名のらさね そらみつ
大和の国は おしなべて
吾こそをれ しきなべて
吾こそ座せ 吾こそは のらめ
家をも名をも
(現代語訳:家どこ? 名前は? この大和の国、全部おれのものなんだけど。おれこそ教えようか? 家も名も)
大和の国は おしなべて
吾こそをれ しきなべて
吾こそ座せ 吾こそは のらめ
家をも名をも
(現代語訳:家どこ? 名前は? この大和の国、全部おれのものなんだけど。おれこそ教えようか? 家も名も)
イラスト:和田ラヂヲ(『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』より)
ナンパのときにも「この広い国を支配してるすごい大王なんだぞ!」と自分の権力をアピールしていたのですね。
(本原稿は『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』からの抜粋です)









