◆なぜ夜にニュースを見ると不安になるの?
ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか? そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】メンタルが「強い人」と「弱い人」の決定的な違い…今すぐやめるべきニュースの見方Photo: Adobe Stock

イラン情勢が
私たちの生活に与える影響

このところ、イラン情勢のニュースが連日報道されています。気がかりなのは、石油の輸入が滞ることによる影響です。先日も、山芳製菓(兵庫県朝来市)が重油を調達できなくなって、ポテトチップス「わさビーフ」など主力製品の生産を一時停止したり、私が好きなスーパー銭湯などの入浴施設でも、重油が手に入らずに営業できないところが出始めたりしています。

この状況が長引けば、石油に関連するさまざまな物価が高騰し、私たちの生活に大きな打撃を与えます。私は医師ですが、医療機器にも石油から作られる製品(エチレン由来のプラスチックなど)が多く使われているため、それらが入荷できなくなることは非常に心配です。

ニュースの「見すぎ」で
心をすり減らさないために

このような状況の中で、ニュースばかりを見ていると心がすり減ってしまいます。そこで今回は、このご時世で「自分の心をいかに守るか」についてお話ししたいと思います。

結論から言うと、ポイントはたった1つ。「ニュースを見すぎないこと」です。かといって、全く見ないのも現実的ではありませんよね。そこでおすすめしたいのが、「ニュースを仕入れる時間を決める」ということです。

ニュースを見るなら「午前中」
寝る前はNG

最もニュースを見るのにふさわしくない時間帯は「寝る前」です。寝る前にX(旧Twitter)やYouTube、ネットサーフィンなどで不安になるようなニュースを見てしまうと、脳が興奮してなかなか寝付けなくなってしまいます。

もしニュースをチェックするなら、脳が一番活動的になっている「朝方(午前中)」が最もおすすめです。

自律神経と情報収集の深い関係

これには「自律神経系」が深く関わっています。自律神経系には、呼吸や脈拍、体温など、私たちが意識しなくても勝手に体を調整してくれる働きがあり、次の2つのタイプがあります。

交感神経系:体を興奮させ、活動的にするための神経
副交感神経系:体をリラックスさせ、眠りへと導くための神経

この2つがバランスを取りながら、私たちの臓器を動かしています。本当はリラックスして休むべき時間帯に交感神経が活発になってしまうと、心がざわざわして不安になったり、動悸がしたり、眠れなくなったりといった現象が起きてしまいます。

地震や感染症、そして今回の世界情勢のような「緊急事態」のニュースは、本能的に「気をつけなきゃ」「逃げなきゃ」と注意喚起を促すため、交感神経を優位にしてしまいます。

朝は元々、これから活動するために交感神経が優位になっている時間帯です。ですから、その活動のリズムに合わせてニュースをチェックするのは理にかなっています。一方、午後や夜に入ってくるニュースは不安を煽るものも多いため、思い切ってカットしてしまうのが良いと私は考えています。

世の中が不安定なときは
心の安全を保つ

このご時世において大切なのは、過剰に準備しすぎたり、不安になりすぎたりしないことです。悲しいニュースを見ても、私たち個人が直接解決できることはほとんどありません。それなのに情報だけを無制限に入れ続けてしまうと、心の安全が保てなくなってしまいます。

私は2010年にブログを始めてからずっと情報発信を続けていますが、その間にも東日本大震災、原発事故、コロナ禍、能登半島地震など、本当にさまざまな出来事がありました。世の中が不安定になるたびに「ニュースを制限したほうがいいですよ」とお伝えしてきましたが、今も全く同じ気持ちです。

自分にできる「毎日の生活」に集中しよう

私自身も今回の情勢には心を痛めていますし、生活への影響を考えると不安もあります。だからこそ、ニュースを仕入れるのは午前中だけにしています。

私たちにできることは、自分の毎日の生活を大切にすることです。私であればこうして発信すること、仕事をすること、ご飯を美味しく食べること、会話を楽しむこと。そうした日々の営みに集中するほうが、ずっと心の健康に良いのです。

ダラダラとネットサーフィンをして、無制限にニュースを浴びるのはやめましょう。「ニュースを見るのは午前中だけ」などとルールを決め、寝る前は見ないようにしてください。辛い時は「一切見ない」と決めてしまうのも一つの手です。

できるだけ毎日の生活に集中して、自分の心を守っていきましょう。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。