なぜコンサルは「スポーツカー」のたとえで説明するのか【一瞬で伝わるプレゼン術】写真はイメージです Photo:PIXTA

経営戦略をプレゼンしにきたはずのコンサルが、なぜか「スポーツカー」の話を始めた。普通なら脱線に思えるこの一言が、場の空気を変え、難しい話を一気に「わかる話」に変えてしまう。なぜそんなことが起きるのか。その裏には、マイクロソフトで培った伝え方の「型」がある。※本稿は、圓窓代表の澤円『The Giver 人を動かす方程式』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。

共通認識を生む最強メソッド
「たとえ話」で理解が深まる

 たとえ話とは、話を伝える相手との間に「共有するもの」(年齢・知識・情報・価値観・カルチャーなど)がないときに、新しく共通認識をつくってくれる強い味方となります。

 そう考えると、同質性が高い者同士の会話では、さほど必要とされるスキルではないかもしれません。同じ仕事をやっていて、似たような文化圏にいる者同士なら、部署内のロジックが確立していて、具体的な話だけで動くことができるからです。

 しかし、ビジネスの大半は、自分の背景とは異なる多種多様な顧客を相手にしているものです。同じ社内でなにか提案したり説得したりする場合であっても、営業部、企画部、経理部などそれぞれロジックがまったく違う相手に説得力をもって伝えなくてはならないケースは多々あるでしょう。

 僕自身はプレゼンする際に、たとえ話をよく使っています。僕の講演やセミナーの参加者は業種・業態も年齢層もバラバラです。そこで聴衆に個別具体的な話をしてしまうと、一部の人を除いて「なにそれ?」「その知識は他の業界だから知らない」という反応になり、話の理解度がぐんと落ちてしまいます。

 そんなとき、多くの人が共通認識を持てるたとえ話を使って話をすると、本質的なメッセージをわかりやすく伝えることができるのです。