「ハラスメントは即時解雇」マイクロソフトに根付いた“盲点に気づかせる褒め方”写真はイメージです Photo:PIXTA

ハラスメントを起こせばクビを切られる。そんなルールがある職場では、褒める言葉が増えるのは当然だ。だが、マイクロソフトで交わされていたのは、単なる称賛ではない。その一言で、人の行動が変わる。なぜそんなことが起きるのか。※本稿は、圓窓代表の澤円『The Giver 人を動かす方程式』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。

人を動かす言葉がけのコツは
相手の本質を見て褒めること

 人は自分の言動が褒められたとき、「私は尊重されている」「自分の存在が認められた」と感じ、その後より主体的に行動しやすくなるものです。

 カーネギーの『人を動かす』でも、人に好かれる6原則として「誠実な関心を寄せる」「心から褒める」といったことを挙げています。人は誰しも「自分は価値がある存在だ」と感じたい欲求を持っており、それを満たす最も強力な方法が、心からの賞賛を得ることだという主旨です。

 カーネギーが繰り返し指摘しているのは、「褒める」ことと「お世辞」の違いです。お世辞も一時的には相手を喜ばせますが、そもそも相手に媚びへつらって利益を得ようとするための言葉ですから、長期的には信用を失いかねません。

 しかし、心から褒めることは、相手に対する誠実な評価や賞賛、承認の表れであり、相手の自尊心を満たし、内発的な行動を引き出す力を持っています

 ある組織やコミュニティのなかで「私は役立っている」「必要とされている」と感じると、多くの人は勇気づけられ、そこでの信頼関係が育まれていきます。自分に自信を持つようになり、行動へのモチベーションが高められていくのです。