ダメージを受け続ける
地方財政と民間投資
中国経済の危機を語る際、不動産不況が取り上げられることが多い。確かに傷は深く、2月の新築住宅価格は前年同月比3.2%下落、前月比でも0.3%下落し、調査対象70都市のうち53都市で価格が下がっている。
中国では不動産売買が共産党の管理下に置かれ、大幅下落を抑制する力が働いているにもかかわらず、それでも抑えきれない状況だ。民間調査では2026年通年で4%下落との予測も出ており、不動産不況が長引くほど家計資産の毀損(きそん)は続き、消費回復は遠のく。
より深刻な問題は民間投資の低迷だ。
国家統計局によれば、今年1~2月の固定資産投資全体は1.8%増と持ち直したものの、内訳では民間投資が2.6%減、不動産開発投資が11.1%減、外資企業の固定資産投資が9.1%減と、民間・外資ともに落ち込みが続いている。
中国政府は民間経済促進法で支援姿勢を打ち出してはいるが、実態は国有企業や地方政府がつじつま合わせで投資を積み増しているに過ぎない。外資の落ち込みは特に深刻で、投資が自律的に回復する見通しは立っていない。
地方財政も疲弊が著しい。2025年の財政収入は21.6兆元(約500兆円)と、2020年以来初めて減少し、土地譲渡収入は14.7%減で4年連続の落ち込みとなった。2026年1~2月には土地売却収入が前年同期比25.2%減まで縮小している。
土地が売れず収入が細る一方で、債務の利払い負担だけが重くなっている。政府活動報告が隠れ債務の処理や地方融資平台の改革や新たな隠れ債務の厳禁を強調したのは、地方財政がすでに成長の土台ではなく、成長の足かせへと変わりつつあるからだ。
不動産部門が傷み、地方財政は痩せ、民間投資は戻らず、家計は守りに入り、若者の雇用は期待できない。数字だけを見れば、中国経済は着実に崩壊へと向かっている。
ただし、中国政府は強力な統制手段を持っている。銀行への支配、資本規制、地方債の借り換え、行政統制など、市場経済国では不可能な政策を自在に駆使できるのが大きな強みだ。
各部門の矛盾を少しずつ調整しながら「崩壊リスク」を回避し続けることは、理論上は可能だ。これが崩壊しない「半統制経済」の強みである。
ただ、その代償として、経済全体の活力はじわじわと失われ続ける一方になる。







