ただ、こんなサイズはまれで、多くの力士は65インチ(約165センチ)だという。
「白鵬関、鶴竜関、それに高安関。みなさん65インチです」
完全自社工場での縫製が自慢だ。力士の酷使にも耐えられる工夫が施されており、尻にもう1枚布を当て、座った時などに力がかかる股の部分を補強している。肌着だけでなく他の服も扱っている。ジーンズは現役時代に小錦が「(NHK)福祉大相撲で歌を歌う時に着たい」と要望し、生まれたそうだ。
「長く使ってもらえる品を、これからも作り続けたいです」と久保田さん。48代横綱大鵬は亡くなるまで、ここの肌着やパジャマを愛用していた。
柄モノは御法度!?
部屋ごとに異なるパンツの掟
国技館入りした関取たちが真っ先に向かう「支度部屋」。関取衆は着物を脱ぐとパンツ1丁でしばしくつろぎ、やがて全裸になってまわしを締め、準備運動をして土俵に向かう。
取組後に再び支度部屋に戻ると、風呂場で体についた砂を洗い流し、バスタオルを腰に巻いた姿でまげを結い直して帰っていく。半裸の関取を世話する付け人たちも多くがパンツにダボシャツ姿。本場所中の支度部屋は早朝から結びの一番まで、下着姿の大男たちでイモ洗い状態だ。
最近はビッグサイズの派手なパンツも売られており、力士の下着はずいぶんカラフルになった。しかし、春日野部屋の力士だけは、パンツを見ただけで春日野部屋だとわかる。
質実剛健の春日野部屋には、白か水色以外の下着は御法度という決まりがある。
外国人力士たちの、こんな会話を聞いたことがある。
ロシア出身の元関脇阿覧は、ブランド物のパンツをはきこなしていた。その姿に、「いいなあ、阿覧は。僕もあんなカッコイイのをはきたいけど、入らないから……」と下を向いたのが、ジョージア出身で体重が200キロあった元小結臥牙丸。ちなみに、パンツのサイズは8Lだった。でも、そんな臥牙丸に、同郷で春日野部屋の元大関栃ノ心は「柄モノのパンツをはけるだけいいじゃん。春日野部屋はさあ、ほら」。見せてくれたパンツは水色だった。







