「肉の上着を着ているようなもの」
暑さにめっぽう弱い力士たち

 パンツ姿で忘れられないのが、人気大関だった魁皇(現浅香山親方)だ。近年は猛暑が続き、9月の「秋場所」といっても真夏のような暑さが続く。「暑い、暑いって言ってもさあ、俺たちの方が絶対につらいよ」。そう語るのは、人気力士・遠藤や大栄翔、翔猿らの師匠で、現役時に体重190キロ近くあった元幕内大翔山の追手風親方だ。

「だって、肉の上着を着ているようなもんなんだから」

 真冬でもまわし1つで土俵を務める力士たちはもちろん、多くの親方衆も、10月が近づいても大汗をかき続けている。

 冷房の温度設定は、もちろん最低。そこにいるのがお相撲さんだけならいい。問題は帰宅後だ。

 人気大関だった元魁皇の浅香山親方と、おかみさんの充子さんは、エアコンを巡ってこんな「バトル」になったことがある。

「いい加減にしてほしいんだよねえ」とおかみさん。親方が握りしめたリモコンの設定温度は18度。親方の言い分は「でもさ、こっちはもう努力できないよ」。すでにパンツ1丁で、これ以上は脱げないというのだ。

「ここから先は、そっちが努力してくれないと」

 というわけで、おかみさんがフリースを羽織ったり、毛布をかぶったりして「寒い夏」をしのぐそうだ。

 やせれば多少は変わるのだろうが、役員のある親方は「俺たち、だいたい子どもの頃から肥満児だからなあ」。引退後、ダイエットに励んだ浅香山親方には、こんな経験がある。

 引退から約4カ月後の九州場所。地元の福岡出身の浅香山親方は連夜の宴席で、やせ始めた体が再び大きくなってしまった。部屋の宿舎に帰って座布団に座った瞬間――。「『バチーン』って音がしたのね。見たら、ベルトのバックルが飛んでいた。地元でやせようとした俺がバカだった」

人前で肌を見せる職業柄
安易に日焼けをしてはいけない

 近年の夏の暑さは異常だ。ある人気幕内力士は、こうボヤく。

「まじ、ヤバイっすよ」