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巨漢の力士たちは、厚い肉の上着をまとっているぶん、めっぽう暑がりだ。しかも、人前で裸を晒す職業柄、日焼けは御法度だという。力士の天敵とも言える夏だが、彼らはどのようにして酷暑を凌いでいるのか?そこには思わず笑ってしまうような工夫があった。※本稿は、朝日新聞社記者の抜井規泰『白鵬はなぜ嫌われなければならなかったのか だれも知らない角界不思議話』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
巨漢力士の衣服制作を
一手に担うライオン堂
お相撲さんになるため上京してくると、親方やおかみさん、あるいは兄弟子に連れられて、最初に行く店がある。力士御用達の「ライオン堂」(東京都墨田区両国4丁目)。キングサイズの専門店で、ここで特製のパンツ、ステテコ、ダボシャツの3点セットを買ってもらうのだ。
1907(明治40)年創業。当初は洋服のほか化粧品や洗剤などの日用品も扱っていたが、近所に本社がある大手生活用品メーカー「ライオン」との競合を避け、洋服屋に特化した。さらに、相撲部屋のひしめく両国で生き残るため、キングサイズ専門店となった。
扱う品々は、とにかく、でかい。ベルトなんて、縄跳びができる。そんな同店で常備している肌着の最大サイズは、胸囲・胴囲とも75インチ(約190センチ)。当時史上最重量力士で知られた元大関小錦の現役時の体格が基準になっている。同店のサイズは「2L」「3L」といった表記ではなく、インチで表しており、75インチは一般の10Lに相当するという。
パンツを広げると、子どもの肌がけのようだ。こんなの力士以外買わないだろ、と思ったら、同店4代目の久保田純平さんは「すぐそこの、両国小学校の先生が買いに来ますよ」。そんな巨漢の先生がいる――ということではない。運動会でパンツの足を入れる部分に2人が入り、「デカパン競争」をするそうだ。







