2つ目は「自分の好きなことだけができるわけではない」から。
たとえば、絵を描くことが好きな人がイラストレーターになったとする。ところが、実際にイラスト制作の仕事をしてみると「絵を描く」ことよりも「クライアントの求めているものを正しく理解する」ことのほうがずっと重要になってくる。
打ち合わせを苦手とする人がイラストレーターになってしまうと、案件がやってくるたびに苦しむことになる。好きなことを仕事にしようとしても「好きではないこと」や「苦手なこと」が必ず入ってきてしまうのが現実だ。
周囲の話を聞く限り、それなりの売れっ子になっても状況はそれほど変わらないらしい。
ならば、好きなことだけで仕事をするのはほぼ不可能であり、それを追い求めるだけ無駄なのかもしれない。
「好きが続く」こと自体が
奇跡のようなもの
そして、この3つ目がいちばん大きな理由となるのだが「人間は好きなこと自体が変わる」からだ。
絵を描くことが大好きな人がイラストレーターを目指したとしよう。しかし、自分自身が「この先ずっとイラストを描くのが大好きかどうか」は誰にも担保できない。仮に子供のころから10年以上、大好きだったとしても、明日には変わってしまうかもしれない。
純粋な「好き」という気持ちは、本人の都合を忖度しない気まぐれなもの……(遠い目)。
だからこそ「好きが続く」ということには、まさに奇跡のような価値があるのだと思う。
これら3つの理由から「好きなことを仕事にしない」のが、収入を上げるための重要な条件だと僕は考えている。
例外があるとするなら、純粋に収入を上げるために仕事を選び、結果として「それがたまたま自分の好きなことだった」という場合のみ。
もっとも、引き当てたその仕事をずっと好きでいられるかはわからないので「今日は晴れていて気持ちいいなあ(でも天気はいつか変わる)」くらいの、一時的な幸運だと思っておくのが無難だろう。







