ラット18匹を3匹ずつ、大きなケージで飼育した(飼育ケージは計6台)。飼育ケージ内にはディスク型の回し車を1台設置して、回し車の盤上でどのような行動がよくみられるかを記録した。

 走っているより、座っている時間のほうが長い。立っている時間も走っているよりも少し多めだ。寝たり、毛づくろいをしていたり2匹でじゃれあって遊んでいることもある。

 回し車は必死に走るだけでなく、気楽にくつろぐときにも使われるようだ。

 なお、図6-3から、体重が軽い個体のほうが、1日の走行時間が長い、つまり走行量が多いことがわかる。ただし、かなり個体差があって、体重にかかわらずまったく走らないものがいる。個体差があることや、小さい個体のほうがたくさん走るというのは、ラット以外のネズミでもおおむねそうである。

図6-3同書より転載 拡大画像表示

回し車で走っている動物の
エネルギーは実用可能?

 回し車で走っているハムスターを見て、「このエネルギーを何かに使えないか」と考えたことのある人は少なからずいるだろう。2018年4月1日にイタリアで放送されたトヨタ自動車のテレビCMには、ヒマワリのタネを燃料とするエコカーが登場する。エンジン部分にゴールデンハムスターがいて、回し車で発電し、自動車を動かすのだ。「マジか!?」と思ったあなた、放送日をよく見てほしい。

 自動車を動かすのは荒唐無稽にしても、照明程度なら何とかなるだろうか。2016年にカンヌライオンズ国際広告賞に輝いたパナソニックのCM動画がある。その動画によると、6匹のゴールデンハムスターに3台の回し車で実働1時間走らせたところ、充電式乾電池エネループの充電率は0.34%だったという。