家畜と違って水産資源には
「自律更新性」がある
魚に代表される野生の水産生物は、同じ動物性タンパク源である牛や豚、鶏などの家畜とは大きく異なる存在です。自然の環境の中で生まれ、人間が関与せずに成長し、やがて成熟すれば自然に繁殖し、環境さえよければ増殖します。
このように、人間が餌を与えたり世話したりしなくても自然の営みの中で更新され続ける水産生物のような天然資源を「自律更新性資源」と呼びます。自然林の木々や、毎年そこで産み出される山菜やキノコなども同じ性質を持っています。
なぜ水産資源には自律更新性があるのか、一時的には減ってもしばらくすればまた元に戻るのはなぜか。答えは単純明快で、太陽があるからです。太陽は可視光線、紫外線、赤外線など電磁波の形で莫大なエネルギーを地球に恒久的に届けています。水産資源は海洋の食物連鎖メカニズムを通して太陽エネルギーを利用し、その総量を常に維持することができるのです。
地球は1つの大きな熱機関であり、太陽を含む宇宙空間とエネルギーの交換を行っていますが、エネルギー収支は非常に安定しており、ほぼ一定です。
少し詳しく見ていきます。太陽が発するエネルギーは膨大なもので、これまで人類が消費してきた全エネルギーの1万倍にもなるエネルギーを、たった1秒間で発生させる、途方もないエネルギーの塊です。宇宙空間に放出されるエネルギーを太陽放射と呼び、これを通じて地球に届けられる総エネルギーは毎秒約200兆キロワット。地表まで届くのはその約半分で、地表の7割を占める海洋が受け止めるエネルギーは毎秒約70兆キロワットになります。
植物は水と二酸化炭素を吸収し、太陽エネルギーを利用して糖と酸素を作ります。いわゆる光合成で、これによって作り出された生物資源(化石燃料を除く)をバイオマスと呼び、光合成によって自然界で1年間に新たに産み出されるバイオマスを純一次生産と呼びます。







