
北海道から沖縄まで、日本全国に存在する魅力的な「地元食」。スーパーマーケット研究家・菅原佳己が実際に47都道府県を旅して見つけた“ご当地食”の中から、今回は特徴的な水産加工食品を6品紹介しよう!※本稿は、菅原佳己『47都道府県 日本の地元食大全』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。
クリーミーな風味の
ミズダコのエラ
海の幸に恵まれた稚内。スーパーで、奇妙なものを発見しました。もしや何かの幼虫?商品名は地元での呼び名「たこささめ」で、由来ははっきりしません。

「ミズダコのエラをゆでたもの」と、市内で水産物加工なども手がける海産物問屋・山大小林商店の小林泰弘社長。主力商品は関西地方に卸す棒鱈で、稚内のタコも多く扱い「たこささめ」もつくります。
エラは頭(に見える胴)の上部裏側に2個のみついている希少部位。稚内など北海道のミズダコの産地では、酢みそ和えや辛子醤油などで味わってきました。
じつは、見た目とは裏腹に非常に美味。周りがほろりとほどけクリーミーな風味、次にタコらしい歯応えの部分からうまみが広がります。「まるでタコを丸ごと食べているよう」と地元漁師さんも太鼓判の味。