その記事の中には、「地方では優良な貸出先が少なく、越境して東京など大都市の不動産案件に融資する動きが地銀の間で出ていた。資金供給により、都市部のマンションの価格が高止まりする要因になった可能性もある」と書かれている。

 これは転売資金提供の担い手は地銀であると金融庁が認識していることを意味している。国土交通省の調査結果が金融庁と共有されている可能性は高いだろう。

 これを受けて、地銀だけでなく、信金・信組とノンバンクもこの方針に従うことになる。金融庁は最も強制力のある官庁であり、直接の管轄は都市銀行と大手地銀のみだが、方針を決めたら、9つの地方エリアを管轄する財務局が同様の指導をすることになる。

 こうした金融庁の姿勢を受け、今後は不動産業者向け融資の審査が、厳格化される。

 具体的には、物件の担保価値だけでなく、「金利が2〜3%上がっても返済が回るか」という厳しいストレス・テストが課されることが想定される。

 こうして、物件価格に対して20%以上の自己資金を求められるケースが急増することになる。

 転売事業者の大半は自己資金に乏しく、金融機関からの資金提供が途絶えれば、転売を続けるのは難しい。金融庁が転売バブルを止めることができるか、その見極めをするのにさほど時間を要さないと思われる。

(スタイルアクト代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)