次に、国外居住者による取得割合は増加傾向にあるが、東京都心6区で7.5%を占めた。しかし、短期転売全件に占める割合は2.6%にすぎず、残りの97.4%は国内の個人・法人であった。

 この結果を要約すると、外国人が取得している割合は想定よりも低く、転売はほとんど行われていない。つまり、投機的な価格上昇の主たる原因は外国人の不動産購入ではない、ということである。

 この国土交通省の発表に私はかなり違和感を覚える。

 国会答弁は妥当性を欠いていることを報告しているだけで、価格高騰の原因には何も言及していないからだ。

 大事なのは「価格の急騰が投機的であるならば、どう対処したらいいか」である。調査によって値上がりしている事実と転売している実態は明らかになった。つまり、問題の実態把握ができたので、対策を取ることができる状況に至ったと考えたほうがいい。

 2025年12月19日に公表された政府自民党の税制大綱には「投機的な取引には必要な税制上の措置を講ずる」旨が明記されている。つまり、この調査結果は大事なことが書かれていないということになる。

タワマン転売に加担して
質が悪い高騰を招いた真犯人

 調査をしている段階で、様々な問題に気づくことが多い。

 この調査は、新築マンションの登記簿全件と価格データを突き合わせて行っている。少なくともこの調査をしていれば、以下の情報をまとめていることは想像に難くない。

・転売している個人・法人名の特定
・転売されている物件名の特定ならびにその事業者名の特定
・登記簿に記載されている転売者に融資している金融機関の特定

 転売するには、少なくとも買った価格の2割以上は上げないと利益が出ない。

 転売が横行していることは、新築マンションの売り主は少なくとも理解している。売る側からすれば販売リスクを相手に転嫁できるからこそ、売っているのだ。そのリスクを背負う買い手とそこに資金を出す金融機関がいて、3者(売り手・買い手・資金の出し手)が揃うことで転売ははじめて行うことができる。

 不動産投資ポータルサイトの楽待は独自にパークコート勝どきミッド(2023年8月竣工)の登記簿を全件調査した結果を公表している。

 その結果は、実需と思われる個人が7割、外国人が1割、日本の法人が2割だった。外国人は転売をほぼしないので、転売は日本の個人と法人が主たる担い手であることになる。