
住友不動産の新築マンションの分譲と
「伸びる街」の関係
「伸びる街はどこですか?」とよく質問を受ける。それも「今年の注目は?」とか条件付きもある。
そもそも毎年変わると思うところが素人っぽい。「ローマは一日にして成らず」なので、地域や街の資産価値は1年で目まぐるしく変わったりはしない。とはいえ、そう言ってしまうとニュース性が無く、人の興味を引きにくい。だから、そんなことを聞きたがるのだろうが、聞かれる側は辟易とする。
そこで編み出した答えが「住友不動産が新築マンションを分譲するところ」だった。住友不動産は最高値で新築マンションを分譲する会社だ。常に相場をリードする価格設定をし、早々に売れてしまったら「安過ぎた」と社内ではお叱りの対象になる。だからこそ、実際にその街の相場が値上がりしやすく、結果が付いて来やすい。これなら、毎年分譲する立地が変わってくれるので、回答する側も使いやすい。
しかし、私はあまり短期的には考えず、長期的に成功するパターンを見つける方が好きだ。事業は継続性だし、目の前のことに一喜一憂している様ではコンスタントに結果を出すことはおぼつかないものだ。
改めて、長期的に伸びる街を特定してみよう。その際の「伸びる」の定義は「他の街よりも価格上昇率が大きい」とする。
まず、住宅の中で価格が上がっているのは何かを考えなければならない。国土交通省は住宅価格指数を毎月発表しているが、2013年以降マンション価格は2倍以上になったが、戸建は2割増しに留まっている。このトレンドは、様々な要因から変わりにくいものだ。