コーヒーがないと頭が回らない――それは、集中力の問題ではなく、依存への入口かもしれません。カフェインは適量なら覚醒を助けますが、摂りすぎれば不安や耐性を招き、かえって脳を鈍らせる可能性があるのです。
東京農業大学で栄養について長年研究し、医師としても活動する田中越郎氏の新刊『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに解説します。

【医者が教える】「朝、コーヒーを飲まないとボーッとする」人がヤバい理由Photo: Adobe Stock

コーヒーを飲まないと頭が回らない」は危険信号

脳に刺激を与える代表的な物質にカフェインがあります。

カフェインを摂取した直後、脳はキリッとします。具体的には集中力が向上します。

その結果、脳の反応時間や記憶力はよくなります。

しかし、創造性に関しては効果が証明されていないようです。

ところが、カフェインを急に大量摂取した場合は、不安や緊張を引きおこすことがあります。

これは逆に集中力を低下させる、ということです。

つまりカフェインは、適量なら集中力を向上させますが、過量なら集中力を低下させるのです。

また長期的にカフェインを摂取し続けると耐性が生じます。

つまり同じ効果を得るためには、より大量のカフェインが必要となるのです。

そしてそのうち依存症になります。

依存症まで行くと、カフェインを摂取しないと、頭痛や疲労感などの離脱症状が生じます。

この離脱症状を避けるために、常にカフェインを摂り続けないといけない体になってしまうのです。

では、カフェインはどの程度が適量なのでしょうか?

カフェインの1日当たりの摂取上限量に公式規定はありません。

しかし、300~400mg以下にとどめておくのがよいでしょう。

普通の緑茶や紅茶なら1杯のカフェイン量は10~60mg程度ですので、飲み過ぎをあまり気にしなくて大丈夫です。

コーヒーの場合は、カップ1杯のカフェイン量は約100mgなので、毎日飲むのなら、1日3杯までにとどめておいてください。

なお、お茶の中でも玉露だけは例外です。

玉露には100㎖lにつき約160mgのカフェインが入っているので、飲み過ぎには注意してください。

また、カフェイン入りを売りにしているエナジードリンクには、1本につき100~150mg程度のカフェインが入っています。

このようなドリンク類はイザというときだけ飲むものであり、漫然と常飲するものではありません。

コーヒーやお茶には、気分をほっこりさせる作用があります。

休息時にコーヒーを飲むとリラックスできるのと同時に、カフェインが脳を刺激してくれるので、眠気は吹っ飛び、休息終了後はすぐに集中してものごとに取り組むことが可能です。

なお、カフェインに弱い人は、夜寝付けないことがあるので、15時以降はコーヒーや濃いお茶は飲まない方がいいでしょう。

(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事』から一部抜粋・編集した記事です。)