言動に注意して
パワハラ認定を回避
パワハラと言うと、「またパワハラの話か」とか「一語一句気を付けなければならないのか」とうんざりされる経営者さんもいるかもしれません。
ですが一口にパワハラといってもその程度には濃淡があります。
私がここで言っているパワハラをしないというのは、裁判でパワハラ認定されるような行為をしないということです。
裁判でパワハラ認定される行為というのは案外少なく、私の分類でいえば主に以下の4点です。
(1)暴言――「バカ」、「アホ」、「死ね」、「あだ名」
「バカ」、「アホ」、「死ね」等の発言は、本人は親しみを込めて言ったつもりでも相手がそう受け取るとは限りません。そのため、このような発言は一切控えるべきです。
また、社員を動物などに例えたり変なあだ名で呼ぶのも、上司側に悪気がなくても本人が苦痛に感じていることが多いのでやめましょう。
(2)人格否定――犯罪者認定とレッテル貼り
人格否定には2つのパターンがあります。1つ目は、「給料泥棒」、「詐欺」などの刑法犯の犯罪者に該当する表現を用いることです。能力不足で、成果をまったく上げられない社員に対し、上司などが「給料泥棒」と発言してしまう事例が散見されます。そのように言いたくなる気持ちは理解できなくもありません。
しかし、「泥棒」という言葉は窃盗罪を犯した者に対する呼称であり、あまりにも強すぎる表現です。「もっと成果を上げてもらいたい」という意図であれば、単純に「もっと成果を上げてください」と伝えれば十分です。それをあえて「給料泥棒」のような犯罪者を指す表現に置き換えることはかえって会社が責められるきっかけを作ることになるため、避けるべきです。
人格否定のもう1つのパターンは、「無能」、「一般職の女性以下(*1)」といったレッテル貼りです。職務能力の低い社員に対し、あきれる気持ちから「無能」などと言ってしまうことがあるかもしれません。確かに、社員のスキルが著しく低く、向上心もない場合、「無能」と評価したくなることもあるでしょう。しかし、「無能」という言葉もあまりにも強い表現であり、言われた社員は憤慨し、結果として会社が恨まれることになります。
(*1)…このような発言はパワハラであると共にセクハラでもあり、二重ハラスメントといえます。







