犯罪者やレッテル貼りは、成果を上げられない状態を何らかの名詞に置き換えて表現する点が共通しています。しかし、これらの表現は侮辱的な意味合いを持つため、社員の無用な怒りを買うことになります。陰で言ったとしても、本人の耳に入る可能性があり、たとえ直接伝わらなくても職場の雰囲気を悪化させる要因になり得るため、控えた方が良いでしょう。

(3)指導の際の大声

 問題社員を注意する際に、思わず興奮して大声を出してしまうことがあります。何度注意しても改まらない場合、感情が高ぶるのも理解できますが、たとえ使っている言葉が適切であっても、大声を出すことで相手が委縮したり、「自分をばかにしている」「見下している」と受け取られたりする可能性があります。その結果、やはり社員から恨みを買うことになります。そのため、故意に大声を出すのはもちろんのこと、「つい」出てしまう場合であっても、大声で注意するのは避けるようにしてください。

 注意の際に大声になったり感情的になったりしないよう、文書での注意をお勧めします。

他の社員の前での叱責が
「公開処刑」とされるリスク

(4)公開処刑

 公開処刑とは、ここでは他の社員の前で社員の評価を下げる言動をすることを指します。公開処刑には2つの形態があり、1つは皆の前で長時間叱責することです(*2)。密室での注意がパワハラと捉えられることを懸念する方もいるかもしれませんが、実際には他の社員の面前で注意されるほうが、名誉やプライドを傷つけられ、より強い反発や不信感を抱かれます。注意をする際は、他の人に話が聞こえない個室で、自分も相手も座り、同じ目線で話すことが望ましいでしょう。

 公開処刑のもう1つの形態は、不適切な内容のメールを一斉送信することです。注意指導をメールで行うこと自体は問題ありませんが、必要もないのに一斉送信で多人数に送ることは避けてください。

(*2)…厚生労働省が作成している「職場におけるハラスメント対策パンフレット」でも、他の労働者の面前で大声での威圧的な叱責を繰り返し行うことがハラスメントになるとされています。