1億総リストラ#4写真:長田洋平/アフロ

リコーが人事施策として「PIP(業務改善計画)」なるものを導入していることが分かった。日本企業ではまだなじみはないが、外資系の職場では巧妙なリストラ手法としても使われてきたものだ。「働かないおじさん」撲滅に“効く”ともいわれる。特集『1億総リストラ』(全14回)の#4は、PIPの実態とリコーの狙いを追った。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

労使トラブルの外資系企業では
「PIPと退職勧奨がセット」は常識

 事務機器大手のリコーが「PIP(パフォーマンス・インプルーブメント・プラン=業務改善計画、または業績改善計画)」なるプログラムを人事施策として導入していることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。

 一般的にPIPは「成績不振と見なされた社員に課題を与えて能力を向上させる仕組み」。欧米企業で普及している。東京管理職ユニオンの鈴木剛執行委員長の著書『解雇最前線PIP(業績改善計画)襲来』によれば、2008年のリーマンショック以降、外資系日本法人を中心に国内でも導入する企業が増えてきた。

 このPIPを巡って労使トラブルがあちこちで起きている。トラブルが発生した外資系企業に勤める社員たちの間では、「PIPと退職勧奨はセット」というのがほぼ常識。PIPはリストラ手法の一つに位置付けられている。

 リコーのような日本の大企業でPIP導入が明らかになるのは実は珍しい。さて、リコーの狙いは何なのか。