サラリーマンでありながら海外の映画祭で日本人初のグランプリを受賞した長久允氏。その思考法を存分に伝える『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』が発売から話題となっている。佐久間宣行さん、ラランド・サーヤさんも大絶賛する同書から、抜粋・再構成して特別公開する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

脚本の教室Photo: Adobe Stock

今すぐできる裏技

「何も浮かばない!」と悩むあなたのために、脚本の裏技を紹介します。

 それは、「絶対誰にも言いたくない思い出を書く」ということ。

 最もチートな裏技がこちらです。しかし最もハードな裏技とも言えます。

 人には皆、親にも友人にも恋人にも、絶対に誰にも言いたくない思い出があるはず。私もあります。

 そんなものもちろん、脚本になんかしたくないですよね。知り合いどころか会ったこともない人に知られてしまうわけですから。

 だけど、腹を括ってみましょう。そこを、切り売りしてみましょう。

 それはきっとあなたにとって大事な、もしくは醜悪な事件だったと言えるでしょう。

 それはつまり、強い物語であるということでもあるのです。

 また、あなたが人に言えない感情は、きっと同じ経験をした世界のどこかにいる誰かも同じ気持ちかもしれません。もしその人が観たら、強く深く共鳴してくれるでしょう。

「作る意味」が一気に見える

 これは本当に最後の手段の裏技で、いきなりご紹介するものではないかもしれませんね。まったくもって強制しません。

 だけど、きっと、書いてみたら、「ああ、私はこのために脚本を書こうとしていたんだな」と思える予感がするのです。

 私にもまだ誰にも言っていない、誰にも言いたくない大事な思い出があります。そろそろ書くときが近い予感がしています。

 ちなみに、「自分の人生を切り売りして、反響がなかったらどうしてくれるんですか(怒)!?」については、また明日、お伝えします。