直美、小日向とランデブーする

 新たな生活が順調である。直美(上坂樹里)も鹿鳴館の給仕として新たな生活が順調のようだ。

 家柄は亡き父方の親戚が大山閣下の奥様(捨松)のご実家と懇意であるとか、英語は母の知人のアメリカ人宣教師から教わったとか、嘘(うそ)八百で自分を飾っていた。「お嬢様は違いますね」と小日向(藤原季節)に感心されて「お嬢様か ちょっとやりすぎたかな」と反省する謙虚さも一応持っている。

 でも、夫候補にロックオンした人物・小日向に気に入られるためには、自分を偽り続けないとならない。

 その小日向とはあっという間にいい感じになって、「11日の午後2時、日本橋の新聞社前で待っています」と約束を取り付けた。またざわざわと風が吹く。この風は直美の胸のざわめきだろうか。

 前作『ばけばけ』で言うところのランデブー(デートのこと)、当日。直美が新聞社で待っていると、吉江(原田泰造)が通りかかる。この新聞社はりんと清水卯三郎が出会った場所でもある。

 直美は吉江に気づかれないように慌ててハンドバッグで顔を隠す。

 無事、小日向と合流。

 歩きながら直美は小日向に「どうして海軍に入られたんですか」と質問。

「外の世界を見たかったのかもしれません」
「世界地図を初めて見たときに驚いたんです。こんなにも世界は広いのかと。日本の中で思い悩むことも海の向こうに行けば大したことではないのかもしれないと」

 この言葉に直美は共感する。りんもまた清水卯三郎から外の世界の大きさや可能性を知り始めている。期せずして、ふたりは外の世界からの風を受けているのだ。

 直美は小日向からかんざしをプレゼントされる。髪に差すとき手が触れ合うふたり。なんだかすごくいい感じ。このまま、直美は小日向の奥様コースで双六(すごろく)の上がりになってしまうのだろうか。

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