坂東彌十郎演じる役は「不思議の国のアリス」のうさぎみたい!?“知られざる偉人”の役割とは〈風、薫る第14回〉

イメージが固まらないように、あえて…

 では、ここで、気になる清水卯三郎を演じている坂東彌十郎さんのコメントを紹介しよう。

 清水卯三郎は「日本橋で舶来品などを手広く扱う『瑞穂屋』を営む。りん、直美と深く関わりを持つようになる」という設定だ。

――清水卯三郎という人物はどのような人だと思いますか?

「清水卯三郎という人物は、1867年のパリ万国博覧会にも商人として参加していて、早くから英語や外国の文化にも興味を持った人。時代の変化にも好奇心旺盛に飛び込んでいった人間なのではないでしょうか。
 このドラマの中でどういう役割を担うのかを考えたとき、イメージが固まらないように実在の方のことはあえて深掘りはせず、演出の方たちがこの作品で作ろうとしている卯三郎の像に少しでも寄り添いたいと思いました。
 最初に演出の方々と打ち合わせをしたときに言われたのが『「不思議の国のアリス」のうさぎのイメージです』だったんです。それにはとても驚いたのですが、りんとの出会いのシーンでは、りんが食べたことのないチョコレートをあげたりマジックを披露したりして、まさに迷っているりんを新たな世界に誘う不思議で楽しい人物なのだと感じました。
 時代が変わっていくことや新しいことにワクワクする卯三郎は、座っているりんを見て、なんとなく人とは違う悩みを抱えていることに気づき声をかけ、彼女の話にとても興味を持ったので自分のお店へ誘ったのだと思います」

――卯三郎さんのお店「瑞穂屋」の印象はいかがですか?

「瑞穂屋のセットはおもしろいですよ。まず狭い(笑)。僕は体が大きいので最初は歩くのに一苦労でしたが最近コツがわかってきました。
 その狭い空間に大量の商品が並んでいて、置いてあるものはひとつひとつ凝っている。あの時代に外国から入ってきたものを日本人に紹介するという一面と、日本の古いものを外国の人に紹介する一面が混ざっているお店なので、見ているだけで楽しいです。
 なんにでも興味のある卯三郎はどんどん買い集めてしまうのでしょうね。お店の前にはうさぎの置物もありますし、僕の衣装もハットをかぶりステッキを持ち蝶(ちょう)ネクタイ。外国の方や若い人たちが集う不思議な国への入り口のようなお店です。
 卯三郎はビジネスマンという側面を持ちつつ、おもしろがりながら社会が変わっていく手助けをしていく人だと思うので、物語が進みりんや直美が看護師の道へと進む中で、この先どのように関わっていくのかもとても楽しみにしています」

 瑞穂屋をまず「狭い」と表するのがおもしろい彌十郎さん。