カリフォルニア州ナショナル・シティにあるナショナル・シティ・マリン・ターミナルPhoto:Kevin Carter/gettyimages

 米国の主要なアルミニウム圧延工場での火災により米自動車大手フォード・モーターのピックアップトラック「F-150」などの供給が滞ったことを受け、同社をはじめとする米自動車メーカーがトランプ政権にアルミ関税の救済措置を要請しているが、同政権はこれまでのところ要請を拒否している。双方の交渉に詳しい複数の関係者が明らかにした。

 昨年秋、ニューヨーク州オズウィーゴにある米アルミ大手ノベリスのアルミ圧延工場で2度の火災が発生し、同工場は少なくとも今年6月まで操業停止となった。火災は、アルミを薄いシートに圧延し、それをプレス加工して自動車の車体部品にする工程で発生した。同工場は、米自動車産業向けアルミ板の国内最大のサプライヤーであり、フォード、ステランティス、ゼネラル・モーターズ(GM)、米国内に生産施設を持つ海外自動車メーカーなど十数社に製品を供給している。

 インドのヒンダルコ・インダストリーズ傘下のノベリスは、オズウィーゴ工場の生産量減少分を、欧州と韓国の工場で生産したアルミで補っている。しかし、同社が輸入するアルミには、ドナルド・トランプ大統領の関税制度に基づき50%の関税が課されている。このコストは、自動車メーカーがアルミを購入する際に転嫁される。

 工場火災による混乱の影響を最も受けたのはフォードで、同社は国内で長年ベストセラーとなっているF-150のアルミ外装材を同工場に依存していた。

 関係者によると、フォードはここ数週間、トランプ政権に対し、少なくともノベリスのオズウィーゴ工場が完全に復旧するまで関税を免除する支援を要請している。こうした協議は、トランプ政権の関税措置の影響について、自動車メーカーと政権の間で現在行われている話し合いの一環だという。