ロビンフッドが拍車をかける
コンビニ「冬の時代」

 実はドンキはイオンやヨーカドーと比較して利益率が高いことが知られています。

 公開数値ベースでも、PPIHの2025年6月期上期の営業利益率は約7.2%、イオンの2025年2月期営業利益率は約2.4%、セブン&アイのスーパーストア事業は約3.5%です。

 また、公表された数字ではありませんが、業界関係者によると客単価もドンキのほうが1~2割高いといわれています。理由はイオンやヨーカドーは日常消費中心なのに対して、ドンキはそれに加えて衝動買いや深夜営業の効果があるからです。

 ドンキの客単価の高さは「夜店効果だ」というとわかりやすいかもしれません。夜中に夜店に出かけるとなんとなく楽しいので、ついついいらないものも買ってしまうことがあります。深夜の買い物がレジャーになっているからです。

 ロビンフッドはこのドンキの成功の方程式をスーパーマーケット業態に移植しようとしているのです。

 そこで気づくことは、今現在、ロビンフッドがない世界ではこの夜店効果をドンキ以外にどこが担っているかというと、実はコンビニです。

 これも業界関係者の話で、公表データではありませんが、コンビニ業界の常識として昼間の客単価よりも夜間の客単価のほうが高いのです。たとえば昼間の客単価が800円だとしたら、夜間の客単価は1200円といった具合です。

 なぜそうなのかというと、わかりやすく言えば帰宅するビジネスパーソンが、家に帰る前にレジャーとしてコンビニに寄って、一日のご褒美としてコンビニスイーツやスペシャル企画のカップ麺を買うのです。ファミマデザインの靴下などもこういった「楽しい深夜の買い物」の需要で売れています。

 実際、我が家でもうちの娘は仕事で遅くなることが多く、帰宅は深夜になることもあります。朝、私が起きてみるとゴミ箱にコンビニスイーツのパッケージが捨てられていることが多いのです。

 世の中がインフレで生活が苦しいといっても、こういった数百円の贅沢はなくならないのです。

 それでうちの娘が最寄り駅から帰宅する道順をたどってみるとわかるのですが、駅前にまいばすけっとがあり、ファミマがあってセブンがあって、その先にオリンピックがあって、家の近くにローソンがあるというのが帰宅経路です。

 近隣の競争という側面で、注目すべきは2027年からは道順の途中にあるオリンピックがロビンフッドになるだろうということです。

 そうなるとファミマとセブンとロビンフッドで「どこが一番楽しいか?」の勝負になります。仮にロビンフッドがコンセプトどおり「驚きの楽しさ」を実現したら?そのときが首都圏でのコンビニ冬の時代のはじまりの合図かもしれないのです。

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